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竹園オーナー 健叶の一部命名生徒に委ねる

  • 2020年09月15日(火) 21時12分
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日高からさわやかなニュースが届いたのは8月25日のことだった。4日間で1100頭弱の馬が上場されたセリの初日に、今年も静内農の生産馬がいた。

マドリガルスコアの19(牡)、父は10年英2000ギニーなどG12勝のマクフィ。セリ初日に登場した鹿毛馬は、同校3年の山形采(あや)さん(17)に連れられて登壇した。250万円スタートの争奪戦は最終的にかつての同校史上最高額の約5倍となる2500万円(税抜き)の値をつけた。山形さんは「多くの人に認めてもらえたような気がして、すごくうれしかったです」と、今でも興奮気味に振り返る。

青春の結晶が、大人たちの心を揺さぶった。冠名「テイエム」の竹園正継オーナーによって競り落とされた直後、セリ会場内は拍手で沸いた。見届けた同級生の清水悠花(はるか)さん(17)は、隣にいた南部彩乃さん(18)の腕を思わずつかんで目の前の出来事が夢ではないかを確認していた。「うれしかったけど、現実じゃないと思って。本当なのか触って確かめようかと」。気付けば涙で視界がゆがんでいたという。

1年時は受胎した母を手がけ、翌春の誕生後は1日も休まず手塩にかけて育ててきた。幼名は「健叶(けんと)」。生産科学科馬コースの現3年生9人が案を出し合い、約15個の候補から決められたものだった。南部さんは「治療歴もなく、すごく健康に育ってくれました。名前の通り、健康であることがかないました」と笑った。

生産科学科馬コースに在籍する生徒は、各学年ごとに1頭の馬を担当する。毎日、少なくとも3〜4時間は馬と触れ合う。1頭に関わる人数、のべ時間は牧場と比べても多い。「放牧地にいるときでも、集牧の時間じゃなくても呼んだら来てくれる。人懐っこいです」と山形さん。

竹園オーナーは馬名の一部の命名を生徒に委ねている。生徒に愛された健叶は、人間を愛す優しい性格に育った。

7日午後、健叶は競走馬としての訓練を受けるべく、育成牧場へと旅立った。次に健叶と会うのは競馬場だ。今回のセリを担当した3人の生徒は、数少ない道外からの越境入学組。進学、ニュージーランドへの留学と希望の進路は違うが、小さなゴールを設けている。「車の免許を取って競馬場に見に行こうねって話しています」(清水さん)。順調であれば来夏にもデビューを迎える。ファンが戻ってきた競馬場で、歓声を浴びる日が今から待ち遠しい。
ネタ元のURL
https://p.nikkansports.com/goku-uma/guide/column/article.zpl?topic_id=10104

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