◇11日 第71回毎日王冠(G2・東京競馬場・芝1800メートル)
パーフェクトな秋初戦だった。日本ダービー2着のサリオスが、力が違うと言わんばかりに歴戦の古馬の壁を軽々とクリアした。
春より一段と磨きがかかったスタートセンスの良さで好発を切ると周りの様子を見つつ下げて好位の4番手をキープ。逃げたトーラスジェミニが刻んだ前半5F58秒0のよどみない流れに乗った。「いいスタートで、すぐ内田さん(ダイワキャグニー)の後ろにポジションが取れた」とルメール。この時点で「勝つ自信があった」と振り返った。
直線に向くと、追い出しのタイミングを計るだけ。「馬のパワーを感じることができたし、坂を上りきるまで我慢して、ちょっとずつ加速して行きました」とルメール。坂を上がって満を持して追い出すと、一気に加速。「この馬場(やや重)で少し緩かったのでゴールまで集中させました」と手を緩めることなく鼓舞し続けるとメンバー中最速の上がり3F34秒1の末脚で3馬身差の完勝劇だ。
「完璧なレースができた。馬がすごく良い競馬をしてくれました。とてもうれしい」。特定の馬に特定の騎手が初騎乗するテン乗りで勝利を収めたルメールは満足げ。自身は8Rからメインまで4連勝と絶好調で「ごっちゃんです」と相撲で勝ち力士が手刀を切るポーズをして喜びを表現した。
春は皐月賞、日本ダービーともにコントレイルの後塵を拝して2着。その鬱憤を晴らすかのような快走にシルクホースクラブの米本昌史代表は「きょうの結果は最高です」と喜び「今後はマイルCSか香港になると思います」と路線を明かした。2歳G1勝ちの距離に再び舵を切り、さらなる強豪に立ち向かっていく。
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