コロナ禍ということで、検温が日常的に行われています。僕たちが競馬学校の頃は、1日に2回の検温を行っていました。一般的に人間は37度を超えると発熱とされますが、馬の場合は若干高く38度を超えると“熱発”とされます。
基本的に、熱発している馬たちに乗ることはありませんし、どんな反応なのかは分かりません。レース直前に体調に変化を示したとしても、いまは初めて乗るケースも多いので、以前との比較ができないので変化をつかみづらいですね。
競馬学校の頃は、検温をして熱発を確認していました。しかし、トレセンでは検温だけではなく、担当者の方々が例えば馬の食欲がなくなったり、いつもより元気がなかったり、またはよく寝たりと、普段と様子が違うことから感じ取ったりもしていると思います。
馬の検温はお尻に人間と同じタイプの体温計を入れて検温するのが一般的で、いま流行のおでこに当てるだけであるとか、モニターに顔を向けると瞬時に計測されるようなタイプはありません。
馬の熱発というと、風邪など体調面からもありますが、よく聞くのが輸送熱。輸送によって熱が出てしまうもので、過去には重症化したケースもあるそうです。人間でも、子供などはウイルスとかでなく、ストレスなど精神的な影響で発熱してしまうケースがありますけど、馬も同じようなところがあるんでしょうね。
また、インフルエンザも馬にも存在して、馬同士で感染していくとされています。現在は、すべての競走馬に専用のワクチンが投与されていて、感染および拡大が防がれています。 (JRA騎手) ※隔週水曜日掲載
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