カジノフォンテンに騎乗する張田騎手のインタビューに行ったのは、浦和競馬場でした。その日はゴールドカップ。そうです、偶然にもブルドッグボスのラストランを見守ることができました。
先頭でゴール板を駆け抜けた瞬間、場内からは一斉に拍手。ウイニングランを見つめていると、その静寂に自然と涙があふれてきました。
騎乗した御神本騎手が壇上で「ウイニングランは本当はしたくなかったのですが、主催者からやってほしいと。本当は早くボスを帰してあげたくて」。ハッとしました。脚元に不安を抱えるボスが精いっぱい走ったのですから、馬上の彼にはそのしんどさが伝わっていたのでしょう。
「本当に感謝しかなかったので、ずっと、ありがとうと言いながら嫌々ウイニングランしました」。最後はちょっと会場をクスッとさせてくれた御神本騎手。
引退式は無観客になってしまいましたが、地方年度代表馬・通算成績45戦14勝という数字では伝わらない、たくさんのドラマをもらいました。ありがとう。
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