読者の皆さん、遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。今回はゲートについてのお話です。
狭いところが苦手とされる馬は、ゲートに対して嫌悪感を示すことが少なくありません。レースとなれば、テンションも高くなり興奮もしますので、ゲートのなかで立ち上がったり、前扉の下を潜ろうとしたり、あるいは寝転ぼうとしたり、静止していないこともあります。
レースを経験して、前扉が開くことを理解すると、音に敏感に反応して開く前に突進することや、他の馬の動きに反応して膠着(こうちゃく)して全く動けなくなるケースもあります。何気なく出ているように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もちろん、騎手は落ち着かせるばかりでなく、立ち上がらないように、突進しないようになどできる限りの対応をしています。その一方で、できる限り早くゲートを出るようにも対応しなければなりません。単純に押さえ込んでしまえばいいという話ではないのです。
なので、突発的な行動に対しての僕たち騎手の対応にも限界はありますし、何より馬自身、感情的に抑えがきかなくなった状態の1馬力はすごいですから、人間がおとなしくさせるのはなかなか難しいですよね(苦笑)。
僕自身、ゲートのなかで倒れられて、係員の方々に助け出された経験があります。スペースがなく逃げ場がないので、ひとつ間違えば大けがをする可能性も。ゲートのなかというのは、実はとても危険なんです。 (JRA騎手)
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