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角居調教師 引退馬支援 「第3の馬生」を

  • 2021年01月22日(金) 21時12分
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角居調教師が引退馬支援の活動について語る。現在の課題は「第3の馬生」。競走馬と乗馬に続くサードキャリアの構築を目指していく。



種牡馬や繁殖牝馬になれるのは引退馬のうちごく少数で、行き場のない馬たちは処分されてしまうという現実があります。私達が取り組む引退馬支援の活動では、セカンドキャリアの構築として、競走馬を再調教して乗馬にする「リトレーニング」を1つの柱としてきました。JRAからの支援も始まり、おかげさまで徐々に軌道に乗ってきました。

一方で、新しい乗馬がどんどん供給されると、高齢や故障などで人を乗せることが難しくなった乗馬が押し出される形で行き場を失ってしまいます。そんな馬たちが処分されるのを防ぐためには、競走馬と乗馬に続く「第3の馬生」を用意しなければなりません。

そのモデルケースとして、祖父の出身地でもある石川県の珠洲市で、馬の「終(つい)のすみか」となる牧場を立ち上げました。人を乗せられなくなった馬たちが余生を過ごしつつ、雑草を食べたり、ボロ(馬ふん)を肥料にしたり、お客さんとふれ合ったりして、自分の“食いぶち”を稼ぐという形です。

クラウドファンディングで資金を集め、珠洲市ともタイアップして、まずは3馬房の厩舎を建てる予定です。すでに16歳のドリームシグナルが暮らしています。私が引退後に住む場所からも近いので、ここで成功例をつくって、全国で人がいない過疎地の活性化として広がっていけばと思います。

馬を活用した農業も考えています。たとえば田んぼに馬が入って耕して、ボロを肥料にすれば「馬がつくったお米」として売り出せるかもしれません。他、石油に代わる燃料として注目されるペレットを作るために、間伐した木を馬が運ぶという取り組みを始めた牧場もあります。クリーンエネルギーやSDGs(持続可能な開発目標)にもつながる活動だと思います。

大事なのは馬が活躍することで収入を得て自活できる仕組みを作ることです。寄付は本当に有り難いことですが、それに頼りっぱなしでは真の解決にはなりません。競馬界だけでなく行政や別の業界の企業にも賛同してもらって、馬の活躍の場や携わる人間をどんどん増やしていくことが重要です。私は引退した後も引き続き取り組んでいくつもりです。ファンの方々からもアイデアをいただければと思いますし、ご理解やご協力をお願い致します。
ネタ元のURL
https://p.nikkansports.com/goku-uma/guide/column/article.zpl?topic_id=10118

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