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ディープの子も活躍 人馬が癒やされる牧場

  • 2021年02月10日(水) 20時51分
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 医療機関が運営する島根県益田市にある「さんさん牧場」

 就労継続支援A型事業所「さんさん牧場」スタッフの精神障がい者らが働きながら、馬の世話を通して心身を癒やすホースセラピーや乗馬体験などを実施している。飼育されているのは引退した元競走馬たち。牧場では「いつでも、だれにも、等しく陽の当たる場所を」をスローガンに、みんなが心安らかに暮らしている。

 この中にいたのが、ディープインパクトを父に持つ12歳の「アスールアラテラ」。現在はホースセラピーや乗馬体験などで活躍する。

 10歳まで競走馬として働き、195戦6勝。

 競走馬時代の元オーナーらの働きで、引退馬を保護する日本サラブレッドコミュニティクラブのホースシェルター(一時避難馬房)に預けられ、同牧場にたどりついた。月4千円の1口オーナーが生活を支える。

 同牧場を運営するのは精神神経科の正光会「松ヶ丘病院」。

 現在飼育する5頭のうち4頭が元競走馬。栗毛8歳のキュウちゃん(競走馬名・アグネスイヴァン)もその1頭だ。たまたま訪れた人が引退後の実情を知りオーナーになることを希望した。その時に厩舎を出される予定だったのがキュウちゃんだった。大賀施設長は「その話がなければ今頃処分されていたかもしれない」と振り返る。

 牧場で最高齢20歳のエンパイアグレイは、官民共同運営の刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」で馬を使った受刑者の社会復帰プログラムで活躍した。高齢で走れなくなり、同牧場が引き取った。

 大賀施設長は「無理はさせられないが、ここでは子供たちとの触れ合いなどで活躍の場がある。最後まで面倒を見たい」と話す。現在オーナーを募集しているという。

 スタッフのうち17人が障がい者。グループホームを併設し、それぞれのペースで馬の世話や乗馬の補助、農作物の栽培などに取り組んでおり、以前にテレビに出演したことなどで有名になったミニチュアホース「えだまめ」の子「ブータン」が人気を集めているという。

 益田市には日本一小さい競馬場として知られた「益田競馬場」(平成14年に休止)があり、流鏑馬(やぶさめ)神事など馬の文化が根付いた土地でもある。

 大賀施設長は「馬の文化を継承するとともに精神障がいや引退馬への理解を広げたい。一般の人と障がい者、生きづらいと思う人が自然に集まれる場所になれば」と話している。
ネタ元のURL
https://www.sankei.com/premium/news/210210/prm2102100006-n1.html

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