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出走情報共有、携帯持ち込み...笠松競馬

  • 2021年03月13日(土) 20時40分
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 笠松の元騎手らが馬券購入し書類送検された事件。

 元騎手らは出走馬の体調など内部情報をチラシの裏に書き、競馬場内で共有し合っていたとされる。真相究明と再発防止に向け、第三者委員会の調査が進められ、レースの開催自粛が続いている。

 「この馬は来ないよ」。元騎手が出走前、他騎手にそう言いふらしていた−。そんな噂は、以前から絶えなかった。

 笠松の調教師が明かす。「素直に馬の調子が悪いとはとれない。そもそも勝つ気がない、という意味だ」。馬券を当てるため、自身が騎乗する馬がわざと負けるよう仕向けてたとみられる。ファンの中にもいぶかしむ声があり、動画投稿サイトには不正競馬の疑いを指摘するレースの動画もある。

 県警は2019年3月ごろ、笠松を運営する県地方競馬組合の情報提供を受け、騎手ら約30人から事情を聴くなど捜査を進めてきた。書類送検された4人は19年秋以降、約半年間だけでも笠松で200レース近くの馬券を買い、約2千万円の利益を上げていた。騎乗する元騎手2人がレース当日に「(馬の)体調が悪い」「勝負にならない」など内部情報をチラシの裏に書き、購入役の元調教師や騎乗しない別の元騎手に競馬場内で手渡していたことも分かったという。

 かつては出走前に馬体を検査する装鞍所に、許可を持たない人や別の公営競技の選手らが平然と出入りしていた。騎手は出走前日から「調整ルーム」に入ることが義務付けられるが、簡単に抜け出せるほか、禁止された携帯電話で外部とやりとりする姿も見られたという。

 「自浄作用がなかった」と調教師。「騎手や調教師は馬主さんやファンら多くの夢を乗せて走る仕事。馬券購入は不正と何ら変わらない」と強い口調で言った。

 騎手や調教師による馬券購入の背景に、収入の低さを指摘する声もある。

 昨年、笠松で最も賞金が低いC級レースの1着賞金は24万円で、騎手に入るのはわずか1万2千円。大井(東京)や浦和(埼玉)の3分の1以下で、全国15ある地方競馬の中で11番目の低さ。

 別の調教師は「過去の存廃問題による経営立て直しで賞金額は大幅カットされた」とこぼす。

 第三者委は月内にも関係者への聞き取りの結果を公表する。県調騎会会長で調教師の加藤幸保さん(58)は「今回を機に、騎手、調教師の普段の生活から定期的にチェックする取り組みを始めたい」と信頼回復を誓った。
ネタ元のURL
https://www.gifu-np.co.jp/news/20210313/20210313-52231.html

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