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旧根岸競馬場「馬見所」改修、保全へ 横浜

  • 2021年05月16日(日) 17時41分
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 横浜市は、日本初の近代競馬場として知られる旧根岸競馬場にあった観客スタンド「1等馬見(うまみ)所」(中区)の本格的な活用に向けた検討を始めた。隣接する米軍根岸住宅地区の返還につながる作業が始まったことを受けたもので、老朽化が進む馬見所を改修・保全した上で活用の方向性を模索する。【樋口淳也】

 JR根岸駅の北東約1キロの高台にある1等馬見所は、三つ並んだ塔が特徴的な建物だ。この場所には1866年から競馬場があり、その規模は「東洋一」だったとされる。

 市などによると、馬見所は観客スタンドとして1930年ごろに建てられた。設計は、旧丸ビルなどを手がけた米国の建築家J・H・モーガン。地上7階建てで、塔の部分も含めた高さは約30メートルある。内部には貴賓室やレストランがあり、外にはひさしに覆われた観覧席が階段状に設置されていた。

 42年までレースが開催されたが、45年に米軍に接収された。戦後、一帯は住宅地やゴルフ場などとして利用されていたが、69年に競馬場部分の多くが国に返され公園に。その後馬見所も返還された。

 市は87年に国から馬見所の土地と建物を購入し、活用を模索した。保全・活用を求める声が市民から上がったものの、目の前にある住宅地区の返還の見通しが立たず、具体的な動きがないまま現在に至っている。建物は立ち入り禁止で、周囲を囲むなど最低限の管理がされている。建物にはつたが絡まり、窓ガラスは割れたままなど老朽化が目立つ。

 だが、住宅地区は日米合意によって返還が決まり、2020年6月には国による原状回復作業に向けた調査が始まった。跡地利用に関する市の基本計画も21年3月に策定され、市立大医学部の移転候補地ともなっている。

 こうした流れに併せて、馬見所の活用についても議論が始まった。3月の市議会特別委員会で、伊地知英弘・政策局長は「あの状態のままにしておくわけにはいかない。(跡地利用と)一体ではないが、同じ時期に整備ができるようにきちんと考えていかなければいけない」と述べた。

 市は建物を改修・保全した上で、どのように活用できるかを考える方針だ。市民からは新たな観光資源として期待する向きもあり、今後は住宅地区の返還、跡地利用の状況を見ながら、馬見所の活用方法を検討する。
ネタ元のURL
https://mainichi.jp/articles/20210516/k00/00m/040/019000c

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