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米国で競走馬のドーピングが絶えない理由

  • 2021年06月09日(水) 13時34分
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 2021年5月1日に行われた米国競馬クラシック3冠の第1戦、ケンタッキーダービーで1位になったメディーナスピリットが、レース後の検査で禁止薬物の陽性反応を示した。

米国競馬界では、こうしたスキャンダルが増加傾向にある。

 米国競馬界における薬物使用の問題は複雑だ。使用時期と用量によっては完全に合法になる薬物もある。州によって規制が異なるために混乱が生じ、それが同時に抜け道にもなっている。

 米国には現在、国による競馬の規制機関が存在しない。各州の競馬委員会が独自のアンチドーピング規則を定め、薬物検査、調査から処罰まで、違反者の処分に関する独自の制度を整えている。

 長年、州によって規則が異なることが混乱を招いてきた。しかし2020年12月に、連邦の競馬公正安全局を設立する法律が議会で可決された。この法律が施行される2022年7月1日に、同機関によって規則、検査、執行などの国家規格が策定される。

 その一方、不正を企む人にとっては、州ごとに異なる規則は規制を回避し、あるいは規制のゆるい州のレースを探し出すことを助けるものだった。たとえば、血液検査しか行わない州では、尿や毛髪からしか検出されない薬物は見つけることができない。

しかし、規制が進めば、それを回避する手段も進む。新たな合成薬とその検出方法を把握しておくことは絶え間ない闘いだと、ロビンソン氏は言う。

「薬剤が開発され続けていれば、新たな薬物の乱用が始まる機会もあるということです」

 その上、近年では遺伝子治療の飛躍的な進歩により、獣医は治癒や骨の成長を促進するタンパク質を細胞に生成させるという方法も使えるようになってきた。これは治癒的価値がある反面、競走馬に遺伝子ドーピングという新たな手法が導入される危険もはらんでいる。

 従来はこうした遺伝子ドーピングを検出する方法がなかったが、今年2月、ロビンソン氏の研究チームが新たな検査方法を開発したと発表した。

ドーピングを減らすもうひとつの方法は継続的な啓発を一層重視すること。

数年ごとの運転免許更新時には、改めて試験を受けて交通規則を忘れていないか、改正内容がわかっているかを確認する必要がある。しかし競馬の免許については、そのような仕組みがある州はほとんどない。

間違いを犯さないことを期待しながら、それを助ける道具を用意してこなかったのだ。
ネタ元のURL
https://news.yahoo.co.jp/articles/39e6a746829bc79ce01bb3f2164cd4b38365b622

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