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北海道変則日程の序盤は裏函組より現地優勢

  • 2021年06月11日(金) 07時18分
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◇獣医師記者・若原隆宏の「競馬は科学だ」

 北海道シリーズが開幕し、いよいよ「夏が来た」という気がしているのは記者だけではあるまい。関西圏では淀の改修・休催にともなって変則日程を強いられているが、今年は北海道も五輪対応のために札幌→函館→札幌の変則日程だ。

 開幕カードの函館スプリントSが札幌施行になって、キーンランドCと条件丸かぶり。ほかにCBC賞が小倉の巡り合わせになったので、北九州記念とやはり条件丸かぶり。サマースプリントシリーズに、同じコース設定の競走が2組できている。

 関西主場はまだ中京。CBC賞のころの北海道はすでに函館開催なので、函館スプリントSとCBC賞の順番だけ入れ替えれば全部丸く収まっていたような気もするのだが、変則日程時の競走配置は、番組作成時の胃の痛い作業なのは分かるだけに、あえてそれ以上の深掘りはするまい。

 北海道変則日程の予想への影響である。札幌からの開幕だが、調教基地としての函館、いわゆる「裏函」も開いている。札幌は先に5月28日から馬場が開いたが、裏函は6月4日から。たった1週間の違いだが、開幕週に向けた函館の機能は限定的だ。

 例年、裏函運用中の札幌では裏函組がやや優位だ。昨年は裏函の運用がほぼゼロだったので19年のデータだが、中間に最後に時計を出した場所で平均着順を比べてみた(競走中止はデータから除外)。札幌組のべ722頭は6・92。裏函組(同601頭)は6・53。単年のデータでは両者に統計的な有意差までは出せなかったが、やや裏函組優位と言える分布ではあった。

 ただ、今年の札幌序盤に限っては、例年の裏函優位とはいかないだろう。裏函組は美浦や栗東から1週前に函館へ輸送。函館で追って直前に札幌へ輸送。短期間に2度の長距離輸送を強いられる。函館から札幌は本州の人間の持つ漠然としたイメージよりはるかに遠く、馬運車の旅程で320キロ前後ある。両トレセンからの東西遠征よりは若干短いものの、美浦〜福島間の270キロよりもっと遠い。開幕週は札幌現地調整組がやや優勢となるだろう。
ネタ元のURL
https://www.chunichi.co.jp/article/270304?rct=race

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