川崎競馬(川崎市)から今年、裾野市出身の神尾香澄騎手(19)がデビューを果たした。同競馬では18年ぶりに誕生した女性騎手。「レースになれば性別は関係ない。負けたくない」と言い切り、男社会の中で奮闘を続けている。
7月下旬、川崎競馬場で行われた第10レース。神尾さんはこの日、通算5勝目を挙げた。デビュー当初から騎乗し、初勝利を含む2勝を挙げる“相棒”と果敢に先行し、逃げ切り勝ちを決めた。
川崎競馬は全国に15ある地方競馬で、大井(東京都)、船橋(千葉県)、浦和(さいたま市)とともに「南関競馬」と親しまれている。4月のデビュー以来、南関競馬を主戦場とする神尾さんは、5月の初勝利後も着実に勝ち星を重ねている。それでも「レースの流れに乗る力や状況判断など、まだまだ足りないところばかり」と課題を口にする。
高校2年の途中まで裾野市で過ごした。中学卒業まではサッカーに打ち込み、女子サッカーの県選抜や東海地区の強化合宿に参加したことも。幼い頃からプロのアスリートを志していた神尾さんは、小柄な体格や身体能力を生かせる騎手に引かれた。乗馬経験は無かったものの、17歳で競馬学校に入学すると、厳しい訓練に食らいつき、技術を吸収した。
川崎競馬によると、1950年の開設からこれまでに3人の女性騎手がデビューしていて、静岡県出身の女性騎手は初めて。神尾さんは「静岡の皆さんに注目してもらえるならありがたい」と話す。
一線級の騎手も勝率は2割前後。加えてけがと隣り合わせ。「うまくいかないことの方が多いけど、思い通りのレースができると気持ちいい」と、厳しさの中にある魅力を語る。レース後は映像を見返し、トレーニングを欠かさない。「1勝1勝積み重ね、応援してもらえる騎手になりたい」と一層の飛躍を誓う。
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