第100回凱旋門賞へ挑むディープボンド。ノースヒルズの前田幸治代表に思いを聞いた。(内尾篤嗣)
―海外初挑戦のフォワ賞で勝利。印象はどうでしたか?
「好スタートを切って折り合いをつけ、いい手応えで最後の直線に向かい、突き放したときに『勝てる』と思いました。しぶとく脚を使った春の天皇賞(2着)を見て遠征を決断しましたが、これほど馬場がフィットするとは思っていませんでした。やはりフランスで健闘したキズナ(13年凱旋門賞4着)の子で素晴らしい成長力と適応力。ラストは33秒8の脚でしたが、日本ではこんな上がりで走ったことはありません。クリスチャン(デムーロ)もまた見事。しっかり期待に応えてくれました」
―父キズナはノースヒルズが生産し、日本ダービーを制しました。84年に前身の「マエコウファーム」を新冠町に設立してから30年目で初のダービー制覇。さらにはグループでは初めて凱旋門賞の舞台に導いてくれた馬。その息子で再び挑戦するのは、どんな気持ちですか?
「『深い絆』という馬名の通り、父から受け継がれた能力や託された夢を、凱旋門賞という大舞台で、ディープボンドらしい走りとして見せてくれるよう願っています。キズナ産駒最初のG1勝利が凱旋門賞となれば、夢のまた夢のようなことで最高です。そのキズナは4着でした。オルフェーヴル(2着)、トレヴ(1着)など、すごい馬がいて世界の壁は高いと思いました。キズナ、クリンチャー(18年)に続き3頭目の挑戦。モットーの『チャレンジング・スピリット』が示す通り、世界最高峰のレースは挑戦し続けないとチャンスは巡ってきません」
―凱旋門賞の後のプランも教えてください。
「日本に戻って無事なら、有馬記念に向かおうと考えています。来年はドバイなど海外のビッグレースも視野に入りますが、まずは状態を見ながら検討して、目の前の一戦一戦を戦ってほしいです」
―最後に意気込みを聞かせてください。
「競馬は9回の落胆に1回の喜び。その1回の喜びを求めて我々は挑戦を続けています。今年は記念すべき第100回の凱旋門賞。史上最高のメンバーとも言われる強豪ぞろいの年に、前哨戦に勝って挑めることを大変誇りに思います。欧州競馬の歴史と伝統の重みは承知していますが、ディープボンドが世界を舞台に力を出し尽くし、明るい話題を届けられたらと思っています」
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