年間7千頭の馬が殺処分されるなか、働きを終えた馬が余生を過ごす養老牧場は全国的にも少ない。新潟県胎内市の「松原ステーブルス」は16年前から殺処分される競走馬などを引き取り、その最期をみとってきた。今年からNPO法人化し、馬との触れ合いを通じ子どもたちに現状を知ってもらう取り組みを始めた。
明星さんは、5年ほど前から粟島浦村で子どもたちに馬術を教えるNPO法人で活動していた。その中で役目を終えた馬たちと一人で向き合う松原さんを知り、馬の殺処分に疑問を持つようになった。「人間のエゴのために馬は殺されているのではないか」。
昨年9月、活動に本格的に加わるか悩んでいたころ、けがで走れなくなったサラブレッドを引き取ってほしいとの依頼が馬主からきた。どうするか迷っていたところ、松原さんから「命を救いたいなら覚悟を決めろ」と言われた。その場で馬を引き取ることを決めた。以来、松原さんとともに、殺処分されそうな馬を救う活動に取り組んでいる。今年4月、持続可能な活動にするため、NPO法人化し自ら代表に就き、専属のスタッフも雇った。
牧場近くの空き家を借り、馬と暮らす「うま友留学」も今年から始めた。牧場スタッフとともに馬の飼育をすることで、将来馬に関わる職に就きたい人が飼育や馬との接し方などを学べる。料金は1泊3千円程度。牧場にはキャンプ用の敷地もあり、1団体2千円からテントを設置できる。
明星さんは「馬との触れあいを通して子どもたちに思いやりの心を学んでほしい」と話す。牧場だけでなく、保育園や幼稚園へも出張する。馬の現状を知ることで、いつか状況を変えるような子どもたちが育つことを期待している。
- ネタ元のURL
- https://news.yahoo.co.jp/articles/d8d7ff304585666a28695031b53c4a2bc44ad55b