エリザベス女王杯(14日、阪神)に出走するアカイイトの岡浩二オーナー(56)。馬主業にかける思いを語った。
―5月の京都ハイジャンプ(マーニ)でJRA重賞初制覇。8月にはヨカヨカで北九州記念も勝ちました。まずは馬主になったきっかけを教えてください。
「近畿大学時代の先輩の山口明久さんから誘われたんです。息子の裕介さん(リフレイムなどのオーナー)が育成を始めて『息子が馬を共有で買ったから』と」
―ヨカヨカは残念ながらスプリンターズSの挑戦目前に骨折が判明し、繁殖入りとなりました。
「3年前に恩師の近大空手道部・木島明彦監督が亡くなって以来の、大きなショックでした。ホンマに冗談やろと…。まだ思い出します。何よりファンに申し訳ないと思いました。ものすごく応援してくれていましたから。夢は産駒に託したいですね」
―エリザベス女王杯にはアカイイトで参戦。母(ウアジェト)も所有されていた馬では初のG1挑戦です。
「最終的に繁殖に上げる際に、血統書でブラックタイプ(重賞5着以内)で太字にして箔をつけたいんです。リステッドで何勝したかよりも、重賞5着以内の方が僕としては価値が高い」
―期待のほどは。
「ノーチャンスではないと思っています。ノリちゃん(横山典)も『どっちかというとパワーのある馬』と言ってくれている。阪神は合うし、重馬場になれば面白いのでは」
―今回はヨカヨカの主戦だった幸英明騎手との初コンビです。
「みゆぴ〜(幸)は、馬主になる前に知人に紹介してもらって、最初に知り合った騎手なんです。これも何かの縁ですね」
―18年には北海道日高郡に生産牧場のサンデーヒルズを開場しました。
「16年に土地を買って、工事に3年かかりました。自分の思うような血統、生産技術で色を出したいというのが一番の理由です。アネゴハダは生産馬として2頭目のデビュー。初勝利の時は喜びもひとしおでした」
―ヨカヨカの子どもも楽しみです。
「初子は小さく生まれるので考え中ですが、先日も(ノースヒルズの)前田幸治会長と『コントレイルから行こうか、キズナにしようか』と話していました。ファンも喜んでくれると思うし、夢が広がりますよね。やっぱりファンを魅了する馬をつくるのが、我々の使命。応援してもらえる馬をつくるのが楽しいなと思うようになりました」(玉木宏征)
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