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被災牧場、ファンに恩返し誓う・熊本

  • 2016年05月06日(金) 19時27分
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産経フォト - 産経ニュース
「地震に負けない馬を」 被災牧場、ファンに恩返し誓う・熊本


熊本地震は、発生から3週間が経過した。地震は、九州随一の馬の産地にも影響を与えた。競馬のGIレース天皇賞で優勝した馬を飼育する熊本市内のサラブレッド生産牧場も被害を受けた。繊細な馬の体調が悪化した上、施設も損傷。そんな最中に、全国のファンから数多くのエールが寄せられた。「地震に負けない強い馬を作ることが恩返しになる」。生産者は“復興”へ思いを強めている。(矢田幸己)

熊本空港から約5キロ。熊本市東区の「本田土寿牧場」は約1ヘクタールの広さを誇る九州屈指の牧場だ。ここにも地震の脅威が襲った。

「何頭かは気が動転していた」。一代で牧場を築き上げた牧場主の本田土寿さん(55)は振り返る。

サラブレッドは小さな物音ですら怖がってしまう繊細な生き物。馬自体や馬房(馬小屋)への被害は何とか免れたが、4月14日の前震以降、食欲の低下や下痢に見舞われる若い馬もみられた。興奮して放牧地を走り回り、子馬に乳を与えない母馬もいたという。

さらに牧場の地下水には泥が交じり、生産馬の運動に使うマシンも壊れるなど施設にも影響が出た。

牧場では、平成21年秋の天皇賞を制した「カンパニー」など種牡馬を含め20頭以上を飼育している。体調変化に伴う馬質の低下は牧場自体の信頼も揺るがしかねず、本田さんは「とにかく馬の状態が気がかりだった」という。

牧場近くの本田さんの自宅もライフラインが断たれ、屋根も損傷した。震災直後の1週間は、今月末に出産予定を控える長女ら家族4人と牧場の真ん中に車を止めるなどして寝泊まりし、愛馬の様子を見守り続けた。

そんな被災生活を支えたのが、競馬ファンらから届く激励の手紙やメールだった。

「カンパニーは大丈夫ですか」「地震に負けないでください」

励ましの便りはすでに40通に達している。

「ありがたいし、発奮材料になる。丈夫で強い競走馬を作ることがファンや支援してくれた方々に対する一番の恩返し」と感激する本田さん。「九州産馬もがんばっているぞ、というところを見せたい」と復興への熱い思いを新たにしている。
ネタ元のURL
http://www.sankei.com/photo/story/news/160506/sty1605060017-n1.html

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