JRA史に残る大激震、大混乱となった東京、阪神、函館(15、16日)3競馬場の出走予定馬156頭の大量競走除外。今回の禁止薬物事件に対し2007年の馬インフルエンザ騒動時に日本調教師会会長として辣腕を振るった東京スポーツ専属競馬評論家の中村均元調教師が核心的な緊急提言を敢行した。
156頭が競走除外という前代未聞の事態となった先週のJRA競馬。公正競馬の大看板を揺るがしかねない事態となったが、今から12年前、今回以上に競馬界に激震をもたらした事象があった。2007年8月に日本の競馬を襲った馬インフルエンザの流行だ。
当時、日本調教師会会長として難局を乗り切った中村均東スポ専属競馬評論家は、当時と今回の混乱を比較して「馬インフルの時は次々とインフルエンザにかかった馬が出てくる中で出走予定馬を全頭検査して、陰性と出た馬だけを競馬に出走させるということを流行が終わるまで約2か月ほど続けた。今回の問題はグリーンカルという飼料添加物に問題があり、それを使っている厩舎も特定されている。規模としては馬インフルの時のほうが大変だったね」と話す。
ただ、この2つの事案の性質が異なることも、こう指摘した。
「馬インフルエンザは伝染病でミスではない。今回のケースはどういう形で禁止薬物が混入していたか分からないけど、どこかにミスがあったから起こったこと。その違いはある」
ワクチンをきちんと全馬接種している状況で起きた馬インフルエンザの発症は人間側で防ぎ切れないものだったが、今回の事案はそうではない。ここが最大の問題だ。
今回の大量競走除外→競馬施行という方法に「万全を期すなら先週の競馬をやめるという判断もあった。万が一、先週出走した馬の中で、グリーンカルを使っていた厩舎が競走除外の中から漏れ、それが競馬で上位にきて競走馬理化学研究所の検査で引っかかってしまったとなれば、それこそ大ごと。何ごともないことを祈りたい」。
いずれにしても「今後は検査体制をより万全にして、ファンに対して安心して競馬を楽しんでもらうことが何より大事」と強調した。
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