今週、中央競馬は札幌、新潟、小倉ともに開幕週を迎えます。いよいよ夏本番! といったかんじでしょうか。
新潟で行われるアイビスサマーダッシュ。ここでは初重賞制覇を狙うフィドゥーシアと復活を賭けるネロに注目しています。
フィドゥーシアは今年に入って4戦3勝と上り調子。お母さんのビリーヴは4歳秋にスプリンターズSを、5歳春に高松宮記念を制したGI2勝馬ですが、競馬で力を出せるようになったのは4歳の夏ごろからでした。フィドゥーシアもそんな母ビリーヴを彷彿させる晩成型と言えるのではないでしょうか。
「お母さんも年を重ねるごとに成長したね」と振り返る吉田厩務員は、母・ビリーヴはもちろん、兄・ファリダットなどこの血統の馬たちを手掛けるベテランの腕利きさんです。
母・ビリーヴとの共通点を聞くと、「スピードがあって、品があるところがよく似ている」とのこと。
そうなんです! 多くの走る馬に共通して言えるのは"品"があること。中でもフィドゥーシアは気品溢れる雰囲気を醸し出すお嬢さまですね。具体的にはどのあたりに品を感じさせるかといえば、やはり眼でしょうか。そして、どこかゆったりとした雰囲気もあって、程よく落ち着いているんです。
馬の成長に合わせて調教も変化しています。
「以前は坂路中心でしたが、今は坂路を織り混ぜながらも馬場を中心に乗っています」と金折助手。決して焦らずにしっかり調教を積み重ねた成果が今、あらわれていると言えそうです。
スピード豊か、とはいえ、1000mの直線競馬は日本のコースの中でも特殊。一気に駆け抜けることもあってか、体への負担は大きいようです。フィドゥーシアも前走の韋駄天Sで1000直を走ったあとはかなり体に堪えたようです。
「レース後、栗東でも調整したけれど、いったん大山ヒルズに放牧に出しました。栗東に戻ってきたあとも若干、息を整えるのに時間がかかった」(吉田厩務員)とか。でも、幸いここにきて調子が戻ってきたとのこと。
「特に先週あたりから息づかいも動きも良くなりました。今週も馬の気分にあわせてサッと行き、最後だけ気合をつける程度に調整しました。これなら走れそうだと思いました」(金折助手)
ビリーヴを彷彿させるフィドゥーシア、秋のGI戦線に名乗りを上げるためにも、ここではしっかり賞金を加算したいところです。期待していますよ!
昨年2着のネロですが、前走のシルクロードSを惨敗してしまったのが気にかかります。その後、入念に調整してかなり復調してきたとのこと。斤量58キロは懸念材料ですが、やはり軽視はできないと思います。
木曜追い切りだったので、また明日金曜も様子を見に行って最後のひと追いでどう変わったのか状態を確認したいと思います。