いよいよ秋競馬に突入。栗東トレセンも北海道遠征組が帰ってきたことで在厩頭数も本来の数に戻りました。やっぱりみんな揃うと活気づいていいですね!秋のGIレースを目指し、続々と馬たちもピッチをあげてきています。そんな様子を見守りながら、またあのGI特有の緊張感が近づいてきたことを実感します。
ローズSから秋華賞を目指すアドマイヤミヤビは今週水曜、話題の2歳馬・ワグネリアンと準オープンのラプソディーアとウッドチップコースで併せ馬で追い切られました。あまり手を抜くことを知らないミヤビは、競馬はもちろんですが調教でもしっかり追われると体力を消耗します。もちろん、それが仕事ですから仕方ないのですが、ミヤビは頑張ってしまう分、こたえたみたいです。水曜午後に厩舎に顔を見に行くと、もちろん元気なのですが「今日の調教も頑張ったからちょっと疲れた〜」みたいなひと仕事終えたような雰囲気でした。
「追い切りの後、週刊誌が立ち馬写真を撮りに来たけど、タイミング的に少ししぼんで見えるかもしれない。でも、大丈夫。ちゃんと本番まで逆算して仕上げているからね」と担当の島助手。
たしかに。週刊誌さんたちが撮る写真は1週前追い切りの前に撮る馬と後に撮る馬、バラバラなのです。撮影のタイミングは限られているから、カメラマンさんと厩舎の都合が合うタイミングで各社揃っていっせいに撮ります。それゆえに余裕のあるタイミングで撮影されれば体ははち切れんばかりにパンパンだし、疲れをみせるタイミングで撮ればそういう体に写ってしまう…。だから皆さん、あの立ち馬写真を全部同列に考えないほうがいいかな、って思います。あくまでも春との成長の比較とか、そのくらいの目安でご覧になってくださいませ。
とにかく、ミヤビは元気です。カイバもしっかり食べています。仕草が2月くらいと比べるとお姉さんになったこともあってあまり甘えてこなくなったけれど。寂しい気もしますが、これも競走馬としては“成長”と捉えたほうがいいでしょう。来週、皆さんも少し大人を確認してみてくださいね。
8月29日、サトノアーサーが栗東トレセンに帰ってきました!「体はひとまわりくらい大きくなって帰ってきました」と担当の田重田助手が言うとおり、少し背が伸びた印象を受けました。帰厩時に30キロくらい増えていたので、競馬では少し減って470キロ台くらいでの出走となるでしょう。一見、つんのめっているのでは?と思わせる独特なフォームも、馬房の向かって左奥でジーっとしているのは変わりません。
神戸新聞杯から菊花賞を目指すとのこと。日本ダービーではアーサーらしい切れ味が見られず距離の壁が心配されましたが、この秋の走りでそのあたりの適性もはっきりと見えてくることでしょう。とにかく、アーサーらしい走りを見せてほしいですね。
今週のセントウルSはフィドゥーシアに注目です。「ここ2戦、独特な直線競馬が続いて4月以来のコーナーのある競馬になる点が少し気になるけど、キャリアもある馬だし大丈夫でしょう」と担当の吉田厩務員。7月30日のアイビスサマーダッシュの後も夏は栗東で過ごしましたが、馬房のミストに加えてクーラーや扇風機を気温にあわせて交互に使用。母・ビリーヴなどを手掛けた腕利き・吉田厩務員がとにかく夏負けしないよう、体調に気を配っていたおかげもあり無事に過ごすことができました。15年前の2002年、母のビリーヴはセントウルSからスプリンターズSを連勝してGI馬になりました。娘もそれに続いてほしいですね。