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砂の女王ラヴェリータの愛息ワンフォーオール

  • 2019年05月27日(月) 18時00分

格上馬相手に堂々の走り!これからの成長も楽しみ


 栗東の松元茂樹厩舎に所属していたワンフォーオール。父がディープインパクト、母はダートグレード競走で大活躍した女傑ラヴェリータという血統の5歳セン馬。中央時代は3歳未勝利で1勝をし、障害競走にチャレンジしていたこともありましたが、昨年夏から大井の上杉昌宏厩舎へ移籍しました。

厩舎でくつろぐワンフォーオール。母は大井で行われた第1回JBCレディスクラシック2着のラヴェリータ


 南関東ではC1クラスから走り、現在はB1クラスへ。5月22日に行われた大井記念(大井・2000m)は自身初となる重賞への挑戦で、母にとっても産駒初の記念すべき重賞出走でした。最近の南関競馬はA1馬が増えてきているために、B1クラスで重賞に出走できた運も勝負事では大事ですね。

 赤岡修次騎手を背に、道中は馬群から大きく離されてポツンと1頭で進めていきましたが、最後は脚を伸ばしてきて、16頭中11着でした。A1クラスの馬たちが多く出走し、斤量は57キロと一緒の中でも、立派に走り抜きました。

「道中はついていけないところもありましたが、一緒の斤量で厳しい中、最後はきてくれました。強いメンバーと走ればペースも速くなるので、前向きさがもっと出て、ついていけるようになれば。ずっと脚を使っているような感じでもバテないのがいいところですし、長い距離も向くのかなと。成長してくれれば面白いと思います」と、初騎乗だった赤岡騎手。

格下のB1馬ながら同斤の格上相手に堂々の走り!


 母譲りの芦毛馬が、重賞の舞台を駆けている姿はとても微笑ましかったです。ダートグレード競走に出走し、南関競馬にも多く遠征してきたラヴェリータ。当時を思い出した方も多かったでしょう。

 ワンフォーオールの担当は、アインアインで東京盃などを制したベテランの石川厩務員です。「セン馬ですが、今は大人しくて手の掛からない馬ですね。輸送では大人しいですが、今回はレース前の準備などで初めて汗ばんで武者震いをしていました。周りをちゃんと見ているタイプの馬なので、何かいつもと違うことを感じ取ったのかもしれませんね。晩成タイプで、まだ一歩一歩段階を踏んでいるところなので、強い馬と戦ってさらに強くなっていって欲しいです。これから上を目指せる馬だと思っています」(石川厩務員)。

 なお、カイバはあまり食べる方ではないそうですが、それでも以前に比べると40キロ近くも増えました。好きな食べ物はニンジンや、大根、しその葉とのこと。

 さぁ、ワンフォーオールはこの路線でどんな存在になっていくのでしょう。

「最初は芝向きの体型かなとも思いましたが、馬格やパワーをつけさせるためにエサのやり方を変えたりして、今では深いダートでもやれる体つきになったと思います。どうしてもゲートから遅れがちで、両脇の馬を気にしてしまって一歩目が遅れてしまうのですが、そこがうまくいけばもっと成功できると思います。これから何とかA1まで持っていけるように頑張っていきたいです。よくなる余地はあると思います」(上杉調教師)。

 次回は6月10日(月)にお会いしましょう!

南関東競馬リポーター。宮城県仙台市出身。元NHK山形放送局キャスター。タイキフォーチュンがきっかけで競馬の世界を知り魅了され、競馬を伝える仕事に就きたく上京。MXテレビ大井競馬中継を経て、現在は南関東競馬内で取材活動を行っている。南関東競馬公式ウェブサイト内・南関魂、大井競馬ホームページ、サンケイスポーツ、楽天、ウェブハロン、ターファイトクラブ会報誌、馬事通信など。

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