産駒初勝利の一報は、デビューする産駒たちへの注目度も高めるでしょう
JRA北海道シリーズは、函館競馬の閉幕とともに、札幌競馬が開幕しました。札幌に居を置いているので、函館開催は通いとなります。札幌と函館を結ぶ距離は、高速を使うと約300km、中山峠を通ってレイクヴィラファーム前を通るような道で行くと約250kmで行きます。峠は、天候によって慎重な運転をしなければならないので、天気が悪いようなら高速回りを決めますが、基本的にガソリン代や高速代を少しでもうかすために、峠回りを選ぶ人が少なくありません。それでも、片道約4時間の運転は、年を重ねるにつれて辛く感じるようになってきました。
札幌競馬が始まると、多少なりともホッとするのは、このような移動が週末になくなることから来るものでしょう。それでも、函館競馬場の厩舎に多くの競走馬がいて、札幌記念に出走予定のフィエールマンやブラストワンピースなどは函館で調整されるようです。フリーな身なので、札幌開催中でも行きたい場所に行くことができる利点があり、函館にも時々顔を出すようにしています。札幌より涼しく、過ごしやすいので、本当は函館でゆっくりしたいものですが、ホッカイドウ競馬の取材もあるので、すぐに門別へ移動したり、結局は慌ただしい日々を送っています。
ホッカイドウ競馬で24日、新種牡馬のウインバリアシオン産駒が、待望の産駒初勝利を挙げました。ティーズリープという2歳牝馬ですが、出負けしたものの中団から4コーナーで射程圏内に入れ、直線で力強く抜け出す強い内容でした。
2019年7月24日門別6Rで優勝したティーズリープ
「この馬と別に、所属している厩舎にもウインバリアシオン産駒はいますが、どちらも跳びがきれいですね」と、ティーズリープに騎乗した石川倭騎手が話していました。
ティーズリープは、母の父がサニングデールで、気性面も含めて短距離志向のようですが、ウインバリアシオンが活躍した中長距離向きの馬も、これから輩出されると思います。ウインバリアシオン自身が、3歳春に頭角を現し、オルフェーヴルにいつも敗れていたものの、常に上位争いを演じていた姿に、多くのファンが魅了されました。東北で種牡馬入りとなり、東北の生産者が一丸となってウインバリアシオンを盛り上げようとしていますし、産駒初勝利の一報は、今後デビューする産駒たちへの注目度も高まることでしょう。
毎年贅沢な日々を過ごしている気がするこの時期
シルクホースクラブ・募集馬見学ツアーの様子
さて、先週はシルクホースクラブが募集馬見学ツアーを行いました。26日から28日までの3日間、すべてが日帰りコースというスケジュールで実施されました。札幌競馬が開幕する週だったので、僕は金曜日に参加しましたが、過去最多となるバス10台で移動しました。年々、シルクホースクラブの会員増加はもちろん、2歳世代の目覚ましい活躍ぶりから、より関心が高まってきたのは確かです。今年のラインアップを見ていても、タイタンクイーンの18(牝、父ドゥラメンテ)やアドマイヤテンバの18(牝、父モーリス)など、その下の世代がセレクトセールで高額取引された馬がいるなど、素晴らしい血統背景を持つ馬が多数います。どの馬を見てもワクワクする状況に、今年も迷いに迷っています。
この世代が最初の産駒を送り出すドゥラメンテやモーリスは、当然ながら会員の方々も注目しています。その中で、昨年のセレクト当歳セッションで取引されたシンプリーディヴァインの18(牡、父エイシンヒカリ)は、馬格に恵まれた印象とともに、歩きの良さや筋肉質な体形など、あらゆる面で目を惹きました。管理予定の田中博康調教師と話しもしましたが、「飛節が強そうだし、良い馬ですよね」と、評価されていました。エイシンヒカリも新種牡馬ですが、東京でのインパクトある勝利や、海外での圧勝振りから、潜在能力ではディープインパクト後継種牡馬の中でも1、2を争うものがあると感じています。
管理予定の田中博康調教師も「良い馬」と評価しているシンプリーディヴァインの18
後は、パーフェクトマッチの18(牡、父ルーラーシップ)にも出資検討をしています。こちらは、キセキを筆頭に堅実な産駒を送り出すキングカメハメハの後継種牡馬・ルーラーシップ産駒。ルーラーシップ産駒は、トモの可動域が広く、歩きに力強さが見られる産駒が多いように感じています。成長力もあり、割とリーズナブルな価格帯ということもあり、他の人気種牡馬たちの子供に比べれば出資しやすいのでは…と感じています。
セールも含め、1歳馬を見る数が多くなる夏は、北海道で仕事をしている身とすれば贅沢な日々を過ごしている気がします。札幌競馬が今年も盛り上がることを期待したいと思います。