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【全日本2歳優駿】川崎競馬場に未来のダート王を目指す若駒たちが集結

  • 2019年12月17日(火) 18時00分

偉大な先輩たちに続け!!


 12月18日(水)川崎競馬場で行われる『第70回全日本2歳優駿』。2017年から日本馬を対象としたケンタッキーダービー出走馬選定ポイントシリーズ「JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY」の構成競走となり、それまで以上に世界へと繋がる重要な一戦となりました。このレースの勝ち馬アグネスワールド(1997年)、アグネスデジタル(1999年)、ユートピア(2002年)はのちに海外GIを制覇。さらにフリオーソ、ラブミーチャン、ルヴァンスレーヴら国内での活躍馬も数多く輩出。偉大な先輩たちに続くため、今年も将来有望な若駒たちが顔を揃えました。

 最初にご紹介するのは前走・兵庫ジュニアグランプリを制したテイエムサウスダン。初めての地方競馬参戦、園田の小回りコースをものともせず先行して直線で抜け出すと危なげなく快勝。3走前にチークピーシズを着用してから一変した走りは本物。3連勝中の勢いのまま2歳ダートチャンピオンを目指します。

3連勝中の勢いのまま2歳ダートチャンピオンを目指すテイエムサウスダン(写真は2019年兵庫ジュニアグランプリ優勝時、撮影:稲葉訓也)


 兵庫ジュニアグランプリで2着だったメイショウテンスイ。スタート直後隣のイロゴトシにぶつかり5番手からの競馬になったものの、ゴール前では鋭い伸び脚を見せテイエムサウスダンに迫りました。差す競馬ができたことは大きな収穫。東京で2勝を挙げている左回りコースに変わるのは好材料で、今回は逆転もありと見ます。

左回りコースに変わるのは好材料のメイショウテンスイ(写真は2019年オキザリス賞優勝時、撮影:下野雄規)


 北海道2歳優駿を制したキメラヴェリテ。初めての1800m戦でいつも通り逃げて重賞初制覇。今回、同型馬との兼ね合いがポイントとなりますが、自分のペースで先行できれば上位争い必至。逃げ・先行馬が結果を出す傾向が強いレースだけに、注目の1頭です。

先行できれば上位争い必至のキメラヴェリテ(写真は2019年北海道2歳優駿優勝時、撮影:田中哲実)


 アイオライトは芝で2戦したのちダートに変わって2戦2勝。2戦とも見事な勝ちっぷり。父ローレルゲレイロで距離延長への対応が課題となりますが、ここまでの走りを見ると対応可能。ダートで底を見せていないがゆえに魅力十分です。

ダートで底を見せていないがゆえに魅力十分のアイオライト(写真は2019年2歳未勝利優勝時、撮影:下野雄規)


 イロゴトシは芝で4戦2勝、前走は初ダートで兵庫ジュニアグランプリに挑み7着。小回りの園田で付いて行けなかった印象で、川崎コースで変わり身を見せることができるでしょうか。

川崎コースで変わり身を見せたいイロゴトシ(写真は2019年ひまわり賞優勝時、撮影:(C)netkeiba.com)


 5頭のJRA勢に対し、今年は地方勢も期待の重賞ウイナーが揃いました。

 筆頭は平和賞を制した川崎のヴァケーション。ここまで4戦3勝【3-0-1-0】。唯一の敗戦である2走前・大井のレースでは初めての右回りと厳しい流れに苦戦。左回りに戻った前走は圧倒的な力の違いを見せつけて勝利。まだまだ余裕たっぷりで、打倒JRA勢に挑みます。

打倒JRA勢に挑むヴァケーション(写真は2019年平和賞優勝時、撮影:高橋正和)


 鎌倉記念を制した川崎のインペリシャブルはヴァケーションと同じ高月賢一厩舎所属で、父も同じエスポワールシチー。ここまで4戦4勝すべて逃げ切りで、“強い逃げ馬”だった偉大な父にどこまで迫れるか真価が問われます。

4戦4勝すべて逃げ切り勝ちのインペリシャブル(写真は2019年鎌倉記念優勝時、撮影:高橋正和)


 船橋のゴールドビルダーは5戦4勝【4-0-0-1】。ハイセイコー記念は直線で鮮やかに前を捕らえて重賞制覇。2走前に川崎コースで勝っていることも好材料で、こちらも上位を狙える1頭。

2走前に川崎コースで勝っているゴールドビルダー(写真は2019年ハイセイコー記念優勝時、撮影:高橋正和)


【イチオシ馬】
・テイエムサウスダン
 サウスヴィグラス産駒で初めての1600mがカギとなりますが、同じ父を持つラブミーチャンも10年前、兵庫ジュニアグランプリから全日本2歳優駿を連勝。揉まれず自分の競馬ができれば距離もこなせるでしょう。

【気になる馬】
・ヴァケーション
 無敗馬インペリシャブルとともに2頭出しの川崎・高月賢一厩舎所属馬。前走に続き、絶好調・吉原寛人騎手とのコンビで、2013年ハッピースプリント以来の地方所属馬による勝利を目指します。

 兵庫ジュニアグランプリ1着のテイエムサウスダン。北海道2歳優駿1着のキメラヴェリテ。平和賞の勝ち馬ヴァケーション、鎌倉記念のインペリシャブル、ハイセイコー記念のゴールドビルダーと前走で重賞を制した馬たちが集結し、文字通り頂上決戦となった今年の全日本2歳優駿。横の比較は難しいですが、ここから羽ばたく2歳馬たちをお見逃しなくご覧ください!

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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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