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【TCK女王盃】アンデスクイーン、大井1800mで再び女王の座を目指す

  • 2020年01月21日(火) 18時00分

JRA勢のみならず地方勢にもチャンスあり!!


 1月22日(水)大井競馬場で行われる冬の女王決定戦『第23回TCK女王盃』は、今年最初のダートグレード競走。令和2年の牝馬戦線を彩るであろう魅力的な馬たちが揃って、JRA勢のみならず地方勢にもチャンスあり。注目の面々をご紹介していきましょう。

 JRA勢5頭のうち筆頭はアンデスクイーン。昨年、ブリーダーズゴールドC、レディスプレリュードとダートグレード競走2連勝。JBC競走は距離適性を考えJBCレディスクラシックではなく2000mのJBCクラシックに出走し、牡馬の一線級相手に8着。前走・クイーン賞はハンデ戦で斤量差もあり5着でしたが、これまでの勝ち鞍7勝はすべて右回りコース。ここ2戦は左回りで、今回はレディスプレリュードを制している大井1800m戦。得意の舞台で変わり身必至。久しぶりのC.ルメール騎手とのコンビで、ダートグレード競走3勝目を狙います。

得意の舞台で変わり身に期待したいアンデスクイーン(写真は2019年レディスプレリュード優勝時、撮影:武田明彦)


 ファッショニスタは昨年7月のスパーキングレディーカップでダートグレード競走初制覇。続くレディスプレリュードではアンデスクイーンのアタマ差2着、前走・JBCレディスクラシックは3着と重賞で常に上位争い。負担重量57kgと、当日の集中力がカギとなりますが、今回も見逃せない1頭。

当日の集中力がカギとなるファッショニスタ(写真は2019年JBCレディスクラシック出走時、撮影:高橋正和)


 オープン入りしたばかりのメモリーコウはダートグレード競走初挑戦。エスポワールシチー産駒で距離は1700m〜1800mを中心に使われていて、特に1800mは7戦3勝【3-1-3-0】とすべて馬券圏内。2連勝の勢いで一気にタイトル奪取の可能性も。

ダートグレード競走初挑戦のメモリーコウ(写真は2019年メモリアルウオッカC優勝時、撮影:(C)netkeiba.com)


 マドラスチェックは昨年の鳳雛S(京都・L・ダート1800m)を牡馬相手に勝利したのち、続く関東オークス2着。近2走はスパーキングレディーカップ4着、レディスプレリュード8着と古馬との対戦に敗れていますが、明け4歳馬の成長力に改めて期待。砂を被るのを嫌がるところがあるので、8枠12番と大外枠になったのは好材料。前走に続いて森泰斗騎手とのコンビで臨みます。

明け4歳馬の成長力に改めて期待したいマドラスチェック(写真は2019年レディスプレリュード出走時、撮影:高橋正和)


 トーセンガーネットは関東オークス3着のあとJRAへ移籍。紫苑S(13着)、福島記念(14着)と2戦は芝に挑戦し、ダートに戻った前走・クイーン賞は10着。二桁着順が続いていますが、浦和・小久保厩舎時代にはニューイヤーカップ、浦和桜花賞、東京プリンセス賞を制している南関東重賞3勝馬。東京プリンセス賞と同舞台(大井1800m)で、復活なるか注目です。

南関東重賞3勝馬のトーセンガーネット(写真は2019年東京プリンセス賞優勝時、撮影:高橋正和)


 有力視される地方勢の中心は大井のクレイジーアクセル。レディスプレリュード(4着)で地方馬最先着を果たし、グランダムジャパン古馬シーズンの女王に輝いたのち、前走・クイーン賞で待望のダートグレード競走初制覇。NARグランプリ2019・4歳以上最優秀牝馬を受賞しました。そのクイーン賞は1枠1番、さらにレース直前に雨が降るという逃げ馬にとっての幸運にも恵まれ、2着プリンシアコメータを2馬身1/2突き放す快勝。単なる逃げ馬ではない実力を身につけ、ダートグレード競走連勝に挑みます。

ダートグレード競走連勝に挑むクレイジーアクセル(写真は2019年クイーン賞優勝時、撮影:高橋正和)


 JRAから大井に移籍初戦を迎えるサルサディオーネ。一昨年のクイーン賞2着、昨年のスパーキングレディーカップ2着がある実績馬。デビュー以来の勝ち鞍4勝はすべて左回りコースで、右回りに不安はありますが、新天地で改めて力を示したいところ。同枠になったクレイジーアクセルとの先行争いからも目が離せません。高知の赤岡修次騎手と初コンビでダートグレード競走初制覇を目指します。

初コンビでダートグレード競走初制覇を目指すサルサディオーネ(写真は2019年スパーキングレディーC出走時、撮影:高橋正和)


 JRA所属時代の2018年にこのレースを制しているミッシングリンク。大井に移籍後は勝ち星から遠ざかっていますが、変わり身を見せることができるでしょうか。

2018年にこのレースを制しているミッシングリンク(写真は2019年JBCレディスクラシック出走時、撮影:高橋正和)


 ホッカイドウ競馬のアルティマウェポンは2018年のレディスプレリュードで13番人気3着。昨年のこのレースでも4着と掲示板確保。TCK女王盃は2017年大井のリンダリンダが7番人気2着、2018年大井のラインハートが6番人気3着、昨年大井のマルカンセンサーが9番人気2着と、人気薄の地方馬が好走する例も。馬券的に無視できない存在。

馬券的に無視できないアルティマウェポン(写真は2019年TCK女王盃出走時、撮影:高橋正和)


【今回のイチオシ馬】
・アンデスクイーン
前走・クイーン賞ではアンデスクイーン56kg、クレイジーアクセル52kgと4kgの斤量差がありましたが、今回はそれぞれ56kgと55kg。1kg差となって逆転に向けて視界良好。

【気になる馬】
・クレイジーアクセル
管理する大井・渡邉和雄調教師が「精神面も肉体面も驚くほど成長している」とクイーン賞のレース後にコメントしていた通り、本格化が著しい明け5歳馬。斤量差が縮まる不安はありますが、今回も自分の競馬に徹するのみ!

 右回り・1800mが舞台ならアンデスクイーンが中心となりそうですが、気分良く前に行ければクレイジーアクセルの逃げ残りも濃厚。ファッショニスタの逆転はあるのか?勢いあるメモリーコウや、マドラスチェックとトーセンガーネットの明け4歳馬2頭も加わって混戦模様。人気薄の地方勢が上位争いに加われば昨年のような波乱(3連単99万7380円)の可能性も。今年最初のダート女王の座に輝くのはどの馬か、見極めが難解な一戦です。

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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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