スマートフォン版へ

【川崎記念】抜群の安定感チュウワウィザードVS再び勝利を目指すケイティブレイブ

  • 2020年01月28日(火) 18時00分

2020年のダートグレード競走頂上決戦スタート!


 1月29日(水)に行われる2020年最初のJpnI『第69回川崎記念』は、ヴァーミリアン、フリオーソ、スマートファルコン、ホッコータルマエら多くの名馬たちが制してきた伝統の一戦。

 今年はミツバ(2019年)、ケイティブレイブ(2018年)、オールブラッシュ(2017年)と過去3年の勝ち馬が再びの勝利を目指し揃って登場。加えてチュウワウィザード、デルマルーヴルら川崎記念初登場の有力馬、実力に定評ある地方勢も加わって高いレベルでの混戦が予想されます。新春の王者に輝くのは果たしてどの馬か、寒さを吹き飛ばす熱い戦いになりそうです。

 チュウワウィザードはデビュー以来14戦8勝【8-3-2-1】で馬券圏外は前走・チャンピオンズCのみ。それも勝ち馬クリソベリルから0.3秒差の4着と大きな差はなく、重賞戦線での安定感抜群。名古屋グランプリ、ダイオライト記念、平安Sと重賞勝利を重ね、2走前ついにJpnI・JBCクラシックを制覇。川崎コースは初めてですが、小回りの名古屋や浦和で結果を出していて不安はありません。

JpnI2勝目を狙うチュウワウィザード(写真は2019年JBCクラシック優勝時、撮影:高橋正和)


 浦和記念で不安を払拭する快勝を見せてくれたケイティブレイブ。ダートグレード競走10勝、うちGI/JpnI3勝の実力馬。川崎記念は2017年5着、2018年1着、2019年2着で今回4回目の出走。前走・東京大賞典8着からの巻き返し必至。明け7歳のベテランホースが走り慣れたコースで再びの戴冠を目指します。昨年の地方競馬全国リーディングに輝いた船橋の森泰斗騎手と初コンビ。1枠1番で先行力を活かし、どんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみです。

実績はメンバー1のケイティブレイブ(写真は2019年浦和記念優勝時、撮影:高橋正和)


 デルマルーヴルは2018年兵庫ジュニアグランプリを制して以降、全日本2歳優駿2着、ジャパンダートダービー2着、レパードS2着、白山大賞典2着などなど惜しいレースが続いていましたが、前走・名古屋グランプリで待望の重賞2勝目を挙げました。2走前・浦和記念はケイティブレイブの4着でしたが、舞台も変わって差をどこまで詰めることができるか。成長期にある明け4歳馬が、世代交代を目指して挑む戦いです。

世代交代を目指して挑むデルマルーヴル(写真は2019年名古屋グランプリ優勝時、撮影:谷口浩)


 忘れてはいけない昨年の覇者・ミツバ。最後の直線でケイティブレイブとオールブラッシュの間を割り力強く抜け出した姿は印象的。川崎記念以降は成績が低迷していますが、再び昨年のような走りを見せることができるか、復活に期待。

昨年の覇者・ミツバ(写真は2019年川崎記念優勝時、撮影:高橋正和)


 アナザートゥルースは昨年アンタレスSを制して重賞初制覇。近2走は浦和記念でケイティブレイブの2着、名古屋グランプリでデルマルーヴルの3着と善戦続き。川崎コースは初めてですが「左回りの走りの方がスムーズ」と陣営のコメントにある通りむしろ好材料。ご存知サウンドトゥルーの半弟で、兄以上の成績を目指します(サウンドトゥルーは川崎記念で2016年2着、2017年2着、2018年5着)。

左回りで一変しそうなアナザートゥルース(写真は2019年名古屋グランプリ出走時、撮影:谷口浩)


 メイプルブラザーは地方競馬のダートグレード競走初出走。重賞初挑戦だった3走前・シリウスSでは11着と大敗しましたが、続くブラジルC(東京・L・2100m)で2着に健闘。全5勝のうち2勝を左回りコースで挙げており(東京・中京)、上位争いに加わる可能性も。

地方のダートグレード初出走メイプルブラザー(写真は2019年白川郷S優勝時)


 2017年の勝ち馬・オールブラッシュ。この馬を地方馬として紹介するのは不思議な感じがしますが、JRAから大井に移籍後2戦目の前走・報知オールスターCを勝利。8番人気の低評価を覆す逃げ切りで、8歳でもまだまだ元気なところを見せてくれました。昨年のレースではミツバ、ケイティブレイブと接戦を演じ3着。川崎の2100mでは3戦2勝【2-0-1-0】で、今回も無視できない存在。

川崎の2100mでは着外がないオールブラッシュ(写真は2020年報知オールスターC優勝時、撮影:高橋正和)


 3か月半の休み明け、今年初戦を迎える羽田盃馬・船橋のミューチャリー。クリソベリルの3着だったジャパンダートダービーでは2着デルマルーヴルと僅かアタマ差。中央勢に匹敵する走りが期待でき、成長した姿が楽しみです。

中央勢に匹敵する走りが期待できるミューチャリー(写真は2019年スターバーストC優勝時、撮影:高橋正和)


昨年の東京ダービー馬・川崎のヒカリオーソも注目の1頭。ケイティブレイブ、オールブラッシュとともに先行争いに加わりそうで、スタートから目が離せません。父フリオーソは2011年の覇者。同舞台の南関東重賞・戸塚記念も制しており、地の利を活かした激走の可能性も。

昨年の東京ダービー馬・川崎のヒカリオーソ(写真は2019年東京ダービー優勝時、撮影:高橋正和)


【今回のイチオシ馬】
・チュウワウィザード
 2014年に5歳で川崎記念を制し、そこから3連覇を達成したホッコータルマエ。そんな名馬に匹敵する飛躍を目指すためにもここは負けられない戦い。

【気になる馬】
・ミューチャリー
 ジャパンダートダービーではメンバー中最速の上がり37秒1をマーク。デビュー以来すべてのレースで手綱を握る御神本訓史騎手とのコンビで、末脚が活きる展開になれば。

 過去10年の成績を見ると1番人気馬が7勝、2着3回と連対率100%。おそらく1番人気が予想されるチュウワウィザードにとっては心強いデータ。さらに逃げ・先行馬の好走も多く、1枠1番ケイティブレイブも勝ち負け必至。最内枠と大外枠、2強の戦いになるのか?虎視眈々と上位を狙う面々も実力馬揃いで、額面以上に難解な一戦。2020年のダートグレード競走の頂上決戦がここからスタートします!

川崎記念の出馬表はこちら→→→
場外発売所一覧はこちら→→→
川崎競馬のホームページはこちら→→→
地方競馬情報サイトはこちら→→→

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング