毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
週中の雨の影響が残り、稍重で始まった中山競馬とは違い、土曜の中京競馬のダートは「良馬場」で終日行われた。ただし、土曜午前5時にJRAが測定した含水率は「ゴール前8.2%、4コーナー7.2%」。JRA公式ホームページの含水率表を見る限り、良馬場としてはかなり水分を含み、稍重に近い状況といえそうだ。日曜日は引き続き好天予報。予想最高気温は12度。冬場で気温が上がらない時季でもあり。急に乾くとは考えにくく、日曜も適度に水分を含んだ良馬場が続くと見て良さそうだ。
土曜は、ダート競走は7鞍。クラス的には2勝クラスの10R・中京スポニチ賞が最高条件で、下級レースが続いたこともあり、チャンピオンズCに直結するデータが得られるかというと正直微妙な印象。参考までに、優勝馬の最終4コーナーの位置は「1番手、4番手、2番手、8番手、2番手、2番手、2番手」。ペースが落ち着いたレースが多く、さらに4コーナーのカーブがきつい中京ダートコースの特徴もあって、前の組が明らかに優勢だった。
一番上級条件だった10R・中京スポニチ賞(ダート1800m)の勝ち馬アリエノールが1分54秒3と地味な時計になったのはペースも大きく影響している。レース前半4F52秒5〜後半4F49秒2。極端に後半が速い超スロー。2番手で流れに乗ったアリエノール自身は完勝で、全体時計だけを見て「時計の掛かるダート」と見るのは早計かもしれない。
ちなみに8R・3歳上1勝クラス(ダート1800m)は4コーナー2番手のテイエムマグマが抜け出して快勝。勝ち時計は1分53秒7。10Rより速かった。ちなみに昨年中京初日に2勝クラスで施行された10R・浜名湖特別(ダート1800m)を勝ったソングオブザハートが1分53秒7(良馬場)。少々乱暴かもしれないが、土曜時点のダートの時計の出方は昨年とほぼ同じといっていい。
チャンピオンズCの昨年の優勝馬チュウワウィザードが1分49秒3。チャンピオンズCの過去3年の優勝馬は「最終4コーナーで4番手以内」だった。2年前にクリソベリルが「1分48秒5」で勝った時のような高速馬場にはなっていないが、今年の優勝推定タイムも「1分49秒台半ば」付近か。
ペースをどう読むか? 前に行きたい馬が多く、前掛かりの展開も予想されるが、落ち着いてしまうと、外を回される差し馬には辛いコース特徴。個人的には極端な乱ペースはなく、好位勢が支配する流れと見ているが…。先行勢が折り合えるかは微妙な気もしている。難解極まりない混戦だ。