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【Vol18】ばんえい記念へ向けての争い/斎藤修(競馬評論家)

  • 2021年12月09日(木) 12時01分
地方競馬MYSTYLE図鑑

競馬界屈指のアナリスト・斎藤修が語るばんえい競馬の魅力!


競馬記者、元ジョッキー、アナウンサー、タレント、お笑い芸人など各界の競馬好きによって構成される「地方競馬アンバサダー」が思い思いのスタイルで楽しむ、地方競馬の魅力を隔週で発信!

 4月中旬に始まって翌年3月までを1シーズンとする「ばんえい競馬」は、いよいよこれからが盛り上がる季節。

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 ばん馬はサラブレッドに比べて成長がゆるやかで、2歳シーズン、3歳シーズン、4歳シーズンで三冠が設定されている。2歳シーズンの三冠目は3月19日のイレネー記念、3歳シーズンの三冠目は、日本でいちばん最後に行われる“ダービー”と言われるばんえいダービーで12月29日、4歳シーズンの三冠目は1月3日の天馬賞。世代ごとの頂点へ向けての争いも本格化する。

 そして、ばんえい競馬最高峰のタイトルが、年に一度だけ1トンの重量で争われるばんえい記念で、3月20日に行われる。

 ばんえい競馬では、シーズンが進むごとに徐々にソリの重量が重くなっていくが、ばんえい記念に向けた古馬重賞戦線も年明けからがいよいよ佳境だ。今シーズンの主要古馬重賞と勝ち馬は以下のとおり。

5/2 ばんえい十勝オッズパーク杯 アオノブラック(牡5)
6/20 北斗賞 キタノユウジロウ(牡6)
7/18 旭川記念 センゴクエース(牡9)
8/15 ばんえいグランプリ メムロボブサップ(牡5)
9/19 岩見沢記念 メジロゴーリキ(牡7)
10/31 北見記念 アオノブラック(牡5)
1/2 帯広記念
2/20 チャンピオンカップ
3/20 ばんえい記念

 700kg台前半で争われるばんえい十勝オッズパーク杯に始まって、徐々にソリの重量が重くなり、900kg前後の重量で争われる年明けの帯広記念は、ばんえい記念に向けての最重要ステップレースとなる。チャンピオンカップは、今シーズンの重賞勝ち馬のみで争われるやや特殊な条件で、若い世代からも出走する可能性があるため負担重量は800kg前後となる。

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第42回北見記念を制したアオノブラック(提供:ばんえい十勝)


 古馬重賞の勝ち馬を見てもわかるとおり、今シーズンはアオノブラックが北見記念でようやく重賞2勝目を挙げたが、それまでは勝ち馬がレースごとに異なる混戦で推移してきた。

 というのも、ばんえい競馬の重賞最多勝記録となる重賞通算25勝を挙げたオレノココロと、そのライバルとして重賞15勝を挙げたコウシュハウンカイが、ともに11歳を迎えた昨シーズン限り(2021年3月)で引退。

 ばんえい記念を制したことがある現役馬は、年が明ければ10歳を迎えるセンゴクエースだけになった。今シーズンは、まさに世代交代の争いといえる。

 近年の最強世代といわれる5歳の二強、メムロボブサップ、アオノブラックは、間違いなく今後数年のばんえい古馬戦線で中心的な存在となるであろう期待馬。メジロゴーリキは高重量戦で力を発揮するタイプだけに、これからの季節が本番。

 10月31日の北見記念では障害を越えられず競走中止となったセンゴクエースだが、2019年のばんえい記念を制し、重賞14勝を挙げている現役最強馬だけに、その牙城を守ることができるかどうか。

 1月2日に行われる帯広記念は、ばんえい記念に次ぐ重い重量で争われるだけに、勝ち負け以上に各馬のレースぶりに注目したい。




《関連リンク》
帯広競馬場(ばんえい十勝)公式サイト


地方競馬情報サイト

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