毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
新年の中山競馬場の芝はCコースで開幕する。昨年暮れのホープフルSまでAコースを使用していたが、内6m部分に内柵を設置して行われる。12月開催がAコース、1月開催がCコースの中山の芝の運用方法は、2004年以降は一貫して同じ。
全国的には大雪の地域も多いが、中山に関しては昨年12月28日のホープフルS以降も全く雨が降らず、連日好天。4日に続き、5日も晴れ予報で降水確率0%。中山金杯が良馬場で行われるのは確実。
年末開催については、今冬の中山の芝は例年以上に好状態を保ち、傷んだ個所も少なく、冬場としてはまずまず時計も出ていると見てきた。中山金杯と同じ内回り2000mで行われたホープフルSは、3番手を進んだ2番人気キラーアビリティが抜け出して快勝。勝ち時計2分0秒6は過去10年で最速。
ホープフルSがGIに昇格した2017年以降の優勝馬の勝ち時計は、17年タイムフライヤーが2分1秒4、18年サートゥルナーリアが2分1秒6、19年コントレイルが2分1秒4、20年ダノンザキッドが2分2秒8。その比較からすると、キラーアビリティ自身の高速馬場への対応力や能力の高さもさることながら、時計が出やすい舞台だったともいえそう。
ちなみにGI昇格前も含め、ホープフルSの直近で最も速い勝ち時計は10年ベルシャザールの2分0秒4だった。
今週からCコース。先週までに傷んだ内寄りが柵設置でカバーされたことで、年末より時計が出る可能性は高い。
ちなみに、4日のJRA公式ホームページでは「コースの変更に伴い傷んだ箇所は概ねカバーされ、全体的に良好な状態です」とのこと。年末開催では直線で中〜外を通る差し馬より、内&前を器用に立ち回る馬の好走が目立った。来週以降はともかく、Cコース開幕日の5日は極端な乱ペースにでもならない限り、前の組が簡単には止まらないケースが多いのでは?
ちなみに、昨年の中山金杯当日は同じくCコース1週目。芝競走は5鞍組まれ、勝ち馬の最終4コーナーの位置は「5番手、6番手、5番手、6番手。3番手」。極端に前有利といえる状況ではなかったが、4コーナーでは中団より前が勝つための必要ポジションだった。
2歳戦のホープフルSで2分0秒6が出た馬場。当時よりも内の傷みが軽減したとあれば、古馬GIIIの中山金杯では「1分59秒台前半」は間違いなく出る。
参考までに中山金杯の過去10年の優勝馬の馬番は「12番、6番、3番、2番、5番、3番、6番、11番、7番、9番」。2桁馬番から勝ち切るのはかなり至難で、コース替わり1週目らしく、内枠が明らかに有利。馬番も推理の鍵になりそうです。