毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
本題のダートの話はのちほど。東京の芝コースは今年も絶好の芝コンディションで開幕した。近年の冬の東京開催は速い時計が出るが、土曜は例年通り。11R・白富士S(芝2000m)は逃げ切った1番人気ジャックドールが1分57秒4の好時計。最終12R・4歳以上1勝クラス(芝1800m)を勝った2番人気カランドゥーラは1分45秒4と古馬重賞の毎日王冠級の好時計。前半5F57秒0の猛ラップで飛ばしたヴィントミューレのアシストがあったとはいえ速い。結果的に土曜の芝競走5鞍は1番人気2勝、2番人気2勝、3番人気1勝。勝ち切ったのは上位人気だけ。弱い馬はなかなか台頭しにくい。底力とスピードを要求される舞台設定だった。
対照的に根岸Sが行われるダートは伏兵が台頭し、大波乱のレースも多々あった。ダート7鞍の勝ち馬の人気は「4番人気、2番人気、13番人気、12番人気、1番人気、1番人気、10番人気」。関東地区は火曜午後から水曜にかけ、茨城・美浦トレセンなど雨が降った地域も多かったが、東京競馬場では今週は雨が記録されていない。土曜午前5時にJRAが測定したダートの含水率はゴール前が2.3%、4コーナーが1.8%とかなり乾いている。日曜日も引き続き好天予報なので、馬場状態はほぼ同じだろう。土曜のダート競走7鞍の勝ち馬の最終4コーナーの位置は「1番手、3番手、12番手、7番手、14番手、2番手、1番手」。ペース次第では逃げも決まれば、後方からの追い込みも届く。かなり読みにくい傾向…。ただ、含水率からくるイメージとは違って、極端に時計が掛かっているわけではない。
8R・4歳上2勝クラス(ダート2100m)を勝ったダノンラスターの2分11秒8は、2走前の東京2勝クラス2着時(2分11秒8=良馬場)と全く同じ。
9R・白嶺S(ダート1600m)を逃げ切ったロードエクレールが1分36秒2で、3勝クラスの東京マイルとしては時計の出方はほぼ標準といえそう。
根岸Sは下が湿っていると、18年ノンコノユメ(1分21秒5=重馬場)のように極端に速い時計が出る時もあるが、今年のような良馬場なら例年通りの「1分23秒台」の決着か。前傾ラップになりやすく、差し馬が届くのが根岸Sの傾向。土曜の競馬を見る限り、差しも決まっている。メンバー的にHペースに近い流れになりそうな今年の根岸Sは逃げ&先行馬より、傾向通りに中団付近(展開次第では後方勢)の差し馬が浮上するのでは?