毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
今週の東京競馬場は木曜から金曜にかけて、雨と雪で約20.5mmの降水量を記録している。金曜正午時点で芝は稍重だったが、金曜日中から晴天に恵まれたこともあり、土曜の芝は「良馬場」で終日行われた。東京新聞杯が行われた先週6日朝のクッション値が「8.9」(標準)で、12日朝のクッション値は「8.6」(標準)。含水率は先週日曜より約2〜3%高かったが、土曜の競馬を見る限りは週中の雨や雪の影響は軽微だった。また、正面直線の内ラチ沿いに多少傷みは出てきたが、レースに影響している印象はない。
土曜は、芝競走は6鞍。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「8番手、6番手、3番手、1番手、4番手、11番手」。先週の当欄でも触れた通り、逃げあり、差しあり。多彩の決まり手となっている。
6R・3歳未勝利戦は、共同通信杯と同じ1800m戦。3番人気ルージュリナージュ(父スピルバーグ)が最終4コーナー6番手から、メンバー最速の上がり3F34秒2で突き抜けた。レース前半3F36秒0〜同後半3F34秒8。勝ち時計1分48秒1は未勝利戦としては遅くはない。先週日曜の東京新聞杯で後方から大外一気を決めたイルーシヴパンサー(上がり3F33秒1)といい、瞬発力型が強いのが、今冬の東京開催の特徴でもある。
11R・クイーンC(芝1600m)は2番人気プレサージュリフト(父ハービンジャー)が4コーナー11番手から、メンバー2位の上がり3F33秒5で差し届いた。勝ち時計1分34秒1は、昨年優勝馬アカイトリノムスメ(1分33秒3)より遅いが、クイーンCとしては標準的な勝ち時計。レース前半5F59秒7と緩めに推移したのも影響している。
ただ、問題は日曜の天気予報。全国的には西から下り坂。小倉では未明から降り出す予報で、日曜の競馬は小倉、阪神、東京の順で、雨の影響がありそうだ。東京競馬場がある東京都府中市は「晴のち雨」で降水確率80%。ピンポイント予報では正午すぎから降り出し、一部予報機関では共同通信杯が行われる午後3時すぎは本降りと予想している。予報通りだと、日曜は午後ほど雨の影響を受けるかもしれない。土曜時点では瞬発力タイプの活躍が目立ったが、当日の雨の降り方にはご注意いただければと思う。