▲T.マーカンド&H.ドイル夫妻の特別対談(c)netkeiba.com
10月末から短期免許で来日中の、トム・マーカンド騎手(24)&ホリー・ドイル騎手(26)ご夫婦。イギリストップクラスのおふたりとあって、来日前から話題となりました。
今回、貴重な夫婦対談が実現! 前編では、ここまでの日本での騎乗を振り返りながら、初めての日本競馬で経験した「驚き」や「気づき」について話していただきました。
(取材・文=松山崇)
※取材日は12月9日です
母国にはない優勝セレモニー「何をしていいのかわからなくて(笑)」
──本日はお忙しいところ、ありがとうございます。早速ですが、日本での騎乗も残すところ3週間となりました。今の率直なお気持ちから教えてください。
マーカンド 5週間乗ってだいぶ馴染んできたので、これからというときに帰ってしまうのが残念というのが正直な感想です。ですから、残りの3週間、ファンの皆さんには、もっともっと自分らしさを出していけるのかなと思っています。
ドイル この5週間、数字を聞くと結構長いように感じるけど、あっという間に過ぎてしまいました。残された3週間は、楽しみながら乗って結果も出していきたいです。
▲正直これからというときに帰ってしまうのは残念(c)netkeiba.com
──お互い、初勝利のセレモニーの際にプレートを持っていたのが印象的でした。パートナーのプレートを掲げているとき、どのようなお気持ちでしたか?
ドイル 何をしていいのか正直わからなくて、ドキドキしながらプレートを持っていました。たぶん向こうの、イギリスで見ている人達は笑っていたでしょうね(笑)。トムが最初の週に勝てたのは、私にとっても凄く喜ばしいことなので、とてもいい経験でした。私の初勝利のときにもトムがプレートを持ってくれて嬉しかったです。
マーカンド イギリスでは10回勝とうが、レコードで勝とうが、セレモニーで表彰してもらうことはないので、こうやってお互いに祝いあうのはとても貴重な機会。それが僕は何よりも嬉しかったです。
▲11月20日ドイル騎手のJRA初勝利時(撮影:下野雄規)
──実際に競馬に乗ってみて、日本の競馬は来日前の想像通りでしたか? それとも想像とは違っていましたか?
ドイル 観た印象からもそうですが、日本の方がペースが速いというのは意識していて、それは実際に乗ってみて実感しました。あと、きちんとしつけされている馬が多いですね。イギリスでは、レースを使いながら絞っていくことも多いのですが、日本の馬はしっかりレースに向けて絞っていき、きちんと体が出来た状態でレースに使われている印象です。
マーカンド 大きくて力強い馬が多いですね。イギリスでは馬体重が出ないので、数字を見る機会が少なく、形をみて判断するのですが、日本の場合は馬体重が数字で示されています。特に後半レースになるほど大きな馬が多くて