12月23日、次世代の競馬予想界を牽引する予想家が生放送で予想討論を繰り広げる番組「競馬予想LIVE ウマいナイト」が配信された。2年連続で回収率100%超のメシ馬氏、2019年に予想家デビューした新進気鋭のとうけいば氏というレギュラーメンバーに加えて、TARO氏・キムラヨウヘイ氏欠席のピンチヒッターとして適性予想を得意とする馬ノスケ氏が参戦。今年の締めくくりの国民的競馬イベント・有馬記念について、熱く議論を交わした。
(編集・構成=緒方きしん)
▲前回から引き続き高見侑里氏、ラランド ニシダ氏を迎え、白熱した討論。体調不良のTARO氏・キムラヨウヘイ氏のピンチヒッターで馬ノスケ氏が初参加
■好調の3歳勢は、ジャスティンパレスに高評価が集中!
──3歳馬イクイノックスが人気を集めそうです。
メシ馬氏 基本的に“まずは3歳を買いましょう”というのが有馬記念。天皇賞・秋、ジャパンCよりも圧倒的に3歳馬の好走率が高いです。斤量のブーストがあると考えた方が良いでしょうね。あとは奇を衒った予想よりも人気馬・内枠というセオリーを守りたいレースです。2010年以降、1〜6枠で単勝オッズ一桁台の3歳馬は勝率55.6%と、圧倒的な成績を誇っています。その3歳馬のなかでも、イクイノックスの天皇賞・秋を勝ち切った実力は評価しなくてはいけないでしょう
とうけいば氏 3歳馬なら、ダービーよりも皐月賞・菊花賞で好走した馬が強いというデータもあります。そうした馬が有馬記念に出走した場合の戦績は、近10年で複勝回収率155%。ダービー3着以内の馬の複勝回収率38.3%ということを考えると圧倒的です。イクイノックスは中山競馬場が苦手と言われていますが、皐月賞でもアスクビクターモアらを相手に2着と好走しています。東京競馬場向きだとは思いますが、中山競馬場をこなせないとは思わないです!
▲とうけいば氏
馬ノスケ氏 東京で差し切るタイプなのは、ダービーや天皇賞・秋を見ても明らかです。しかし、だからと言って軽視はできません。ただ、個人的には印をつけていない馬の中では最上位の評価ですね。
──皆さんは同じ3歳馬でも、ジャスティンパレスを高く評価していますね。
メシ馬氏 ジャスティンパレスは、昨年のホープフルSでの好走がかなり驚きでした。それまで少頭数のレースをラクな競馬を勝っていただけという印象を持っていたので、そこから急に輸送のあるホープフルSで2着というのは…。皐月賞・ダービーは敗因もはっきりしていますし、多頭数を経験して馬が成長するなかで、神戸新聞杯では圧勝。今年の有馬記念ではこの馬しかいないだろうと考えています!
馬ノスケ氏 有馬記念の適性は高いでしょうね。この馬は、後半にキレを求められるレースより、タフな持続力を求められるレースが得意です。菊花賞でも、8枠ながらしっかり結果を出しています。東京よりは中山が得意でしょうし、3歳馬というのも魅力。枠こそ、考えていたよりも外側ではありましたが、先行馬が外側に揃っているのはプラスでしょう。内側に先行馬が揃っていたら、ジャスティンパレスが得意な好位を確保するのが難しかった可能性があるので、むしろ今回のこの枠順はポジティブに捉えて問題ないでしょう。外側からの差しが届く展開になると思いますよ!
▲馬ノスケ氏
とうけいば氏 鞍上のマーカンド騎手は上手な騎手だと思っています。会見でもポジションを意識した発言もありましたし、頼りになる存在ですね。
■古馬の大将格タイトルホルダーでは評価が対立!?
──古馬はタイトルホルダーが人気を集めそうです。
馬ノスケ氏 スタミナのあるタフな逃げ馬です。昨年は負けてしまいましたが、パンサラッサがいたことで展開面がシビアになったのが敗因。今回はパンサラッサもいませんから、楽にいけそうです。さらに今年は先行馬がタイトルホルダーより外側に集中したので、枠順も味方していると感じています。春に見せつけた実力を出せるのであれば、中山2500mはコース適性から見ても推したいですね。タイトルホルダーより外からは前にいける馬がいないでしょうし、タイトルホルダーがペースを握ることになると思います。
メシ馬氏 今年の宝塚記念ではヒシイグアスを本命にしていて、(レーン騎手に)すごく上手に乗ってもらえたんですが、それでも勝ち馬のタイトルホルダーには一生届かないんじゃないかと思うような2馬身差の敗北。正直、引いてしまうほど強かったですよね。凱旋門賞では敗北したものの、手応えはすごくて一瞬勝ったかと思いました。あのレースは本馬場入場での暴走があって、さらに調教も順調じゃなかった中での大敗ですから、参考外として良いと思います。これだけ強い馬がGIで一番人気にならないとは…。脚の自在性と持続性を考えれば、有馬記念では無視できない存在です。特に、今年のメンバーなら自分でペースを作れるでしょう。潰しにいける技量がある馬といえばイクイノックスくらいかなと思いますが、ルメール騎手はそういうことをするタイプではないので、そのまま逃げ粘りそうです。
▲メシ馬氏
とうけいば氏 タイトルホルダーは、昨年、メシ馬さんのいう3歳馬の斤量ブーストがかかっているなかで、5着。そんなに評価できないのではないでしょうか。実は中山競馬場もあわないと思っています。日経賞でも1着になっていますが、メンバーはそれほど豪華とは言えませんし、むしろ“こんなもんなのか”とすら感じました。すごくポテンシャルとスタミナがある馬と言われているんですが、実は、タイトルホルダーは荒れた馬場がダメなんだと思います。この馬の過去のレースでパフォーマンスが良くなかったと思っているのは、荒れた馬場の凱旋門賞と、中山での有馬記念・日経賞、4着に敗れたホープフルSなんですが、どうも時計のかかるレースは苦手なようです。宝塚記念も見た目としては芝が荒れていたんですが、実際は時計も出ていました。有馬記念のようなタフなコースになると、実力を出し切れるかどうか…。
メシ馬氏 いやいや! タイトルホルダーは凱旋門賞こそ大敗しましたが、今年になってから国内全勝です。昨年の5着時よりも成長していますよ。中山が苦手というのは僕も一瞬考えましたが、日経賞はあまりにもスローだったので参考外と考えています。ホープフルSの時も、この馬がまだ強くなっていない時期ですし、今のタイトルホルダーの強さは素直に評価して良いと思っています。
とうけいば氏 うーん…。ただ僕は、宝塚記念のメンバーってそんなに強かったのかな、と懐疑的なんですよね。それ以降も宝塚記念に出走したメンバーも苦戦はしています。ジャパンCでも宝塚記念3着のデアリングタクトが4着に食い込んだものの、勝利したのは新興勢力のヴェラアズールでした。
メシ馬氏 今年の有馬記念は宝塚記念とメンバー構成が似ていますから、古馬のなかでの評価は似ているのかもしれませんね。新興勢力を探して3歳馬を上位に据えるという点では僕も同意見です。
他にもジェラルディーナの評価やボルドグフーシュの評価で激論を交わした3名の新鋭たち。今回の模様はアーカイブが配信されているので、レース本番までに是非チェックして欲しい。より一層、予想が楽しくなるはずだ。