今週はキーンランドCが行われます。高松宮記念2着のナムラクレア、函館スプリントSを鮮やかな末脚で制したキミワクイーンなどがスタンバイ。このレースに出走を予定している有力馬について馬場や馬体といった視点を中心に解説していきたいと思います。

　まず、今の札幌の馬場ですが、先週からCコースに替わって、序盤は前有利の競馬が続いていましたが、雨が降ったこともあってあまり内外を気にしなくても良い馬場になったと言えるでしょう。今週は日曜に一時雨の予報が出ていますが、それほど悪くはならなさそうで、若干前有利程度に推測しておきたいと思います。馬場質については洋芝ですが、極端に重いということはなく、ある程度スピードも生きるので、そのあたりを考慮して予想を組み立てたいと思います。

【有力各馬について】
※中間の写真が見られる馬を中心に解説しています。

ウインマーベル(父アイルハヴアナザー、母父フジキセキ)
　高松宮記念時も馬体は良く見せていましたが、結果として馬場や大外枠が悪かったと思います。押して早目の競馬をしましたが、直線入り口でもう手応えがありませんでした。今回はその次のレースの京王杯スプリングC2着以来のレースとなりますが、筋肉の張りが良く、あばらも薄っすらと浮いて完璧と言える状態ではないかと思います。今の馬場もちょうど合いそうで、狙い目になるでしょう。

キミワクイーン(父ロードカナロア、母父ダイワメジャー)
　やや小柄な牝馬で骨格も軽めですが、洋芝実績があって馬場適性は高いでしょう。全体のバランスが良く、四肢に柔軟さがあり上体も無駄なく柔らかい筋肉がついています。背中も芯が通っていて、体幹の強さを表しています。順調にきていて、ここも好勝負は必至でしょう。

シュバルツカイザー(父Dark Angel、母父Nashwan)
　函館→札幌と特別戦を連勝。筋肉量豊富で馬格もそこそこあってまさに今の札幌の芝に合うタイプ。馬体も筋肉がしっかりと張っていて、トモの丸みが目立ちます。馬場もあまり悪くならなければ大丈夫。ここでも通用しそうです。

ジュビリーヘッド(父ロードカナロア、母父ディープインパクト)
　前走が函館スプリントSで2着。その前走はまだ少し余裕がある体つきでしたが、洋芝適性の高さもあって好走しました。今回は前回よりも無駄肉が減って走りやすい体つき。勝ち切るところまではどうかですが、好走はできてもおかしくないでしょう。

ゾンニッヒ(父ラブリーデイ、母父ディープインパクト)
　マイルを中心に使われていましたが、筋肉隆々の好馬体で骨格もしっかりしているので、本質的にはスプリンターだと思っていましたが、前走はその期待に応えて快勝してくれました。洋芝適性が高く、状態も皮膚を薄く見せてトモの丸みも抜群。ここも勝ち負けに持ち込めるでしょう。

ナムラクレア(父ミッキーアイル、母父Storm Cat)
　ヴィクトリアマイル8着以来のレースですが、今回の立ち写真の方がマイルをこなせそうに映ります。それくらい無駄肉なく仕上がっていて、トモの張りなどは失われていません。物凄く良いかというとそこまででもないように見えますが、この馬については調教で確認すれば状態が分かりやすいので、そちらでうまく判断したいと思います。

ナランフレグ(父ゴールドアリュール、母父ブライアンズタイム)
　あばらが浮いていた安田記念時と比べると太く映るかもしれませんが、若干余裕がある程度で、筋肉の張りが良く良い気配と言えるでしょう。洋芝適性は高いでしょうし、追い込みが利く馬場ならチャンスはあるでしょう。

【総括】

　現時点ではウインマーベル、ゾンニッヒ、シュバルツカイザーあたりに注目しています。結論は調教や枠順、馬場などを加味しウマい馬券で提供しますので、そちらもご注目下さい。



■プロフィール
古澤秀和(ふるさわひでかず)
　2002年に雑誌「競馬王」でデビューしたのを機に、プロ予想家としての活動を開始。中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。必ず開催競馬場に足を運び、生の馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。それを基盤としながら、血統やレースリプレイ、過去データ分析などのファクターを絡めて予想している。主に各馬の「適性」を見極めることに注力し、「適性外の条件で惨敗」→「適性条件で巻き返し」というパターンに重点を置いた予想を展開。これにより、複勝10倍を超えるような穴馬も高頻度でピックアップしている。