▲東京大賞典にウィルソンテソーロとのコンビで出走する原優介騎手(撮影:下野雄規)
有馬記念も終わり、2023年の競馬もいよいよクライマックス。29日(金)に行われる最後の大一番・東京大賞典!
注目のコンビは、前走のチャンピオンズCで12番人気の低評価を覆して2着に食い込んだウィルソンテソーロと、デビュー4年目の原優介騎手。
前走のレース前から感じていた手応えや、向正面で馬に話しかけた言葉など、激走の裏側を伺いました。
(取材・文:馬切もえ)
「勝ったからといって満足することはほとんどない」
──今年は26勝(12月24日終了時点)。4年目にしてデビュー以来、最多の勝利数となりましたね。
原 ありがとうございます。すべては馬のおかげ。チャンスを下さる関係者の皆さんのおかげです。
──なるほど。でもご自身の技術の向上もありますよね?
原 騎乗技術はもちろん上がっています。でも今が1番いい競馬ができているのかと言えば、そうではないですね。感覚的にはデビュー2年目がうまく乗れていたと思うんです。
──どういうことでしょう?
原 2年目は自由に乗らせてもらうことが多くて、騎乗馬のリズムに合わせた乗り方ができていました。でも少しずつ結果が出るようになると、よりチャンスのありそうな馬に乗せて頂く機会が増えて、そのぶん自由度が低くなるというか、リスクマネジメントをしながら乗ることが増えました。もちろん騎乗馬の質が上がっているので勝つ回数は増えましたが、自分の中で“いい競馬ができたな”と思う回数は減りました。
──“勝てばいい”ではないのですね。
原 はい。自分はもともとそういう性格なんですけど、勝ったからといって満足することはほとんどないです。最近だとキタノリューオーで勝った師走S(12月10日、中山)くらいかな。あとは「もっとああしていたら楽に勝てたのに…」とか反省するばかりです。
──なるほど…。奥深いですね。アドバイスをもらったり、参考にしている騎手はいらっしゃいますか?