こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、阪神競馬場で行われるローズステークス(GII)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
ポテンシャルの高さから一発に期待する推奨馬とは?
ローズSの行われる阪神芝1800mは、外回りコースのワンターン戦でスタートから3コーナーまで、4コーナーからゴールまでの距離がともに長く、コーナー角も緩い為にコース形態によるバイアスはほぼなく、全馬が能力を発揮しやすい舞台と言える。
過去このコースで上位人気に支持された馬の成績を集計しても、ほぼ全ての指標が平均を上回っていて、基本的には人気に支持される馬がそのまま結果を出しやすいコース。
ただ、ことローズSにおいてはそうとは言えず、過去10回の阪神1800m開催で単勝3番人気以内は単勝回収率48%、複勝回収率69%。5番人気以内だと単勝回収率47%、複勝回収率54%とかなり低い数字になっている。
これはひとえにオークス組の不振が大きな要因であり、この傾向は近年代替で行われた中京開催でも全く変わっていない。
その理由を考えてみると、まず一つ挙げられるのがそもそもオークスは牝馬にとって長い2400mという特殊条件であり、クラシックレースと言えども全馬が目指すようなレースではないということ。
同週に行われるセントライト記念は近年日本ダービー組の成績が著しく良いが、これは牡馬クラシック路線を歩む馬においてほぼ例外なく日本ダービーが最大目標になり、出走可能なメンバーがほぼすべて揃うことでメンバーレベルが高く、夏場条件戦を勝ってきたような馬とは格が違うからという理屈で説明できる。
一方牝馬クラシック路線は賞金ボーダーで見ても桜花賞は2勝しても権利を取らないと出られないことも珍しくないのに対し、オークスは出走するだけなら毎年未勝利を勝っただけの馬でも可能。つまり牝馬クラシック路線において重要度が高いのは桜花賞の方であり、そもそものメンバーレベルが言うほど高くないのにGIというだけで過大評価されるというのが大きな理由と考えられる。
今年もオークス3着のタガノアビーは次走2勝クラスで単勝1.4倍の人気を背負ったが2着、オークス6着のウィルサヴァイブは次走2勝クラスで1番人気4着、8着のケリフレッドアスクは次走1勝クラスで1番人気4着と、例年の傾向から外れていないだろう。
ローズSにはオークス1、3、4着馬が出走を予定しているが、それにどれだけの価値があるのかはしっかり精査したいところだ。