こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、京都競馬場で行われるスワンステークス(GII)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
開催前倒しでレベルの底上げも
マイルCSの前哨戦という位置付けで行われるスワンSだが、昨年までは天皇賞(秋)開催週の土曜日の施行となっていてマイルCSに出走する場合中2週しかなく、近2年は次走マイルCSに出走した馬が0と完全に形骸化していた。
今年は全体的にGIと前哨戦の日程にテコ入れが入ったが、中でもスワンSは3週間前倒しの開催と大きな変更が加わり、レースの質にも変化がみられそう。
まず開催が3週繰り上がることで5週使われたAコース最終週から2週目開催になるのは大きい。過去10年8度の京都開催の内の5回を3コーナー10番手以下で通過した馬が勝利しているように差しが決まりやすいレースになっているが、それは開催週の影響も多分にあっただろう。
加えてスプリンターズSとの間隔が中1週となったことで実質的にこのローテーションが消滅。そのローテでスワンSに出てくる馬はスプリント色が強い馬というより、1200mで差し脚を生かすタイプが多いのでペースへの影響はあまりなさそうだが、距離延長馬が少なくなることは確か。
そしてスプリンターズS以外の前走GI出走馬が過去10年最多で4頭、ここ2年に至っては1頭だけだったように近年は主流の路線からは完全に外れていたが、今年は前走GI出走馬が6頭登録。そのうち3頭が3歳馬とはいえ、開催を前倒しした効果は一定みられていてメンバーレベルの底上げが見込める。
これまでに挙げた要素を総合すると前哨戦色が強くなってガンガンペースが上がるような機会は減りそうだし、馬場も比較的きれいな状態になりやすいとなるとやや前に比重を傾けるべきなように感じる。
もちろんメンバー構成次第ではあるし、アサカラキングとシンフォーエバーがともに出走してきた場合は競り合う可能性も十分ありそうだが、大枠の傾向的にはこれまでより落ち着いた流れのレースが多くなると予想。