「
紫苑S・G3」(9日、中山)
ルヴォワールという馬名はフランス語で「再会」の意味だ。名付け親が込めた思いを知れば、実に粋なネーミングだと分かる。両親は04年
ジャパンCで対戦し、
母リュヌドールが7着で、10着の
父ハーツクライに先着した。後にノーザン
ファームが輸入し、運命的な再会から生まれたのが
ルヴォワールというわけだ。
新馬、
ミモザ賞を連勝したが、フ
ローラSを前にフレグモーネを発症して戦列を離れた。手塚師は「四肢全部がかかり、かなり重い症状でした。まだ不安な点はある」と言う。2歳上の姉(
父ディープインパクト)は未出走に終わったから、おそらく体質の弱い血筋なのだろう。
それでも素質の高さに疑う余地はない。500キロを超えるグラマラスな体。余裕残しの仕上げでの連勝は至難の業だ。今回と同じ舞台を2回経験したのはアドバンテージといえる。
今週の追い切りでは、無傷の3連勝中で、18日の
セントライト記念に出走予定の
セダブリランテスと併せ、ゴール前では0秒1遅れた。ただ「
セダブリランテスには遊ばれたが、相手は攻め駆けする。1週前(先月30日)に乗った戸崎圭は乗りやすいと言ってくれた」と潜在能力に期待する。
父ハーツクライと
母リュヌドールの“再会”から、新たな物語は始まっている。
提供:デイリースポーツ