▲着飾った観客であふれるスタンド、華やかなムードの中行われたメルボルンC
日本からはチェスナットコートが参戦したメルボルンC。オーストラリアに滞在中のライター・大薮喬介さんが、レースを終えての現地情報をたっぷりとお届けします。 (取材・文・撮影:大薮喬介)
オーストラリア特有のスローにはならず
現地時間11月6日、オーストラリアのフレミントン競馬場で行われたメルボルンC(3歳上・豪G1・ハンデ・芝3200m・1着賞金400万豪ドル)は、K.マカヴォイ騎手騎乗の7番人気クロスカウンター(セ3、英・C.アップルビー厩舎)が優勝した。勝ちタイムは3分21秒17。
朝から大粒の雨が降り続け、2RにはHeavy8(不良馬場の中で最も重馬場に近い)まで馬場が悪化したが、現地時間12時30分頃から徐々に天気は回復。結局、15時00分発走のメルボルンCはSoft6で行われた。
「レース前に馬場を歩いたのですが、思ったよりも水はけがよくて、4コーナーだけ少し水の含みが多いと感じました。そこ以外は問題なかったです」とはチェスナットコート(牡4、栗東・矢作芳人厩舎)に騎乗した川田将雅騎手のコメント。
▲出場騎手、川田騎手はコーフィールドCに続きチェスナットコートに騎乗
▲大観客の歓声に見送られ、レースへと向かう
好スタートを切って先手を奪ったのは、戦前から逃げると予想されていた地元のランナウェイ(牡4、豪・G.ウォーターハウス&A.ボット厩舎)、2番手は戦前に「先行したい」とM.モロニ―調教師が語っていたヴァンジュールマスク(セ6、豪・M.モロニ―厩舎)。馬群はやや縦長になりつつあったが、内外は密集して1周目のゴール板へ。そこで、後方にいた3番人気のザクリフスオブモハー(牡4、愛・A.オブライエン厩舎)が突然つまずき失速。競走を中止した(予後不良)。
後続を引っ張るランナウェイが2000mまで12秒2〜12秒4のラップを踏んだことで、オーストラリア特有のスローにはならず、ペースが流れる展開。最終コーナーに入った時には馬群が一気に詰まり、直線入り口で横一線となって末脚勝負となった。
▲馬群が密集している1周目
▲残り100m、レースは末脚勝負に
最内から伸びてきた4番人気のマルメロ(牡5、英・H.モリソン厩舎)が、いったんは先頭に立つが、外からアプリンスオブアラン(セ5、英・C.フェローズ厩舎)が詰め寄る。しかし、そのさらに外から7番人気のクロスカウンター(セ3、英・C.アップルビー厩舎)が猛然と追い込んで、先頭でゴール。ゴドルフィンの刺客が異国の地でG1初制覇を飾った。