▲3月17日、待望のタッグが実現!(ユーザー提供:KTさん)
3月は金鯱賞を含む18勝を挙げるなど絶好調だった川田騎手。しかし、レースごとに一喜一憂しないどころか、大きく感情が動くことはないのだそう。結果を出し続けることの難しさを知る川田騎手だからこそのレースとの向き合い方に迫ります。
後半では、ついに実現した福永祐一調教師との待望の初タッグの話題も。「GIかと思うほどだった」と語るほど大勢のお客さんが集まった阪神競馬場。そのパドックで繰り広げられた微笑ましい(?)やりとりが明かされます!
(取材・構成=不破由妃子)
結果がゴールではなく、大切なのは“次はどうするか”
──3月24日は1日で6勝を挙げ、3月トータルでは18勝をマーク。月間勝率36.7%と、とんでもない数字になってます。今年は騎乗数もめっちゃ増えてますね。
川田 僕なりにしっかり働いてます(笑)。ただ、勝率は…。もちろん、勝つことが僕の仕事ではありますが、周りに気を遣わせてしまうのは本意ではなくて。
──ああ、ご自身以上に、周りの方たちが川田さんの率を下げないようにと。去年がそうでしたね。そうなると、騎乗数がまた減ってしまう。
川田 そうなんですよ。僕自身は、まったく数字は気にしてないんですけどね。ただ、周囲の気遣いも昨年ほどではなく、みなさんちょっと慣れた感じがあります。
──それにしても、ですよ。改めて3月の勝率は36.7%、連対率は65.3%。もはや「なんだこれ!?」と言いたくなる数字ですからね。
川田 確かに数字は「なんだこれ!?」ですよね(笑)。でも、やっぱりみなさんちょっと慣れましたよね。僕にしてみれば、いつも通りに仕事をしただけ。1日6勝にしても、ああいう週もあるというだけで。
──1日6勝は二度目だったんですね。調べたところ、一度目は2011年7月31日の小倉でした。
川田 今でも覚えていますが、あの日はちょっと異常でしたね。いい意味で、自分でも異常だなと思った。流れが良すぎて「どう乗っても勝つ」みたいな、そんな1日だった記憶があります。けど、この前の6勝は違います。もちろん、勝負事としての流れはすごくいい日でしたけど、「どう乗っても勝つ」ではなく、ひとつひとつきっちりと勝つ競馬をして勝った。それが6個あったのがあの日でした。
▲2011年7月31日にも1日6勝という数字を記録(小倉1R 2歳未勝利戦 オウケンハナミズキ)(c)netkeiba
──川田さんは責任感の塊のような人ですから、あれだけの結果を出すと、さすがにホッとするところもあるのでは?
川田 まぁそうですかね。ただ、勝ったことに対して一喜一憂しないので。逆に言うと、負けてもヘコむことはない。普段の競馬において、レースの結果で僕自身の感情が大きく動くことはもうないですね。
──取材する側としては、おもしろくないなぁ。たまにはヘコんでほしい(苦笑)。
川田 もちろん、下手に乗って負ければ、申し訳なかったなと反省するし、自分に対して「まだまだ下手だな、情けない」という気持ちにもなりますよ。でも、まともな競馬をしてきた、馬も頑張って走ってくれた、でも勝てなかった…となれば、考えるべきは次ですよね。次はどうしよう、続戦するのか、ちょっと間隔を空けるのか、条件を替えるのか、レースの組み立てを変えるのか…と、次に向けて頭の中を切り替える。勝っても負けてもそこがゴールではなく、大切なのは「次はどうするか」なので。
──川田さんが自分で「下手に乗ったなぁ」と思うのは、どういうケースですか?