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【頂上対談】戸崎圭太騎手×川田将雅騎手(2)「将雅こそ、真のリーディング」戸崎騎手が惚れた“騎手・川田将雅”の生き様

  • 2023年01月26日(木) 18時01分
“VOICE”

▲お二人の目に映った互いの姿とは(撮影:福井麻衣子)


2022年の全国リーディングを獲った川田騎手、2014年から16年まで3年連続で全国リーディングを獲った戸崎騎手。このお二人が口を揃えて言うのは、確定した瞬間は「やった!」という気持ちは全くなく「やっと終わった…」という安堵の気持ちが大きいということ。

それほどまでにリーディングを争う重圧は大きく、過酷な1年を経験したお二人。第2回では、そんなトップに立った者だけが感じることのできる“リーディングの重み”とリーディングを獲った際の互いの姿について語り合います。

(取材・構成=不破由妃子)

ひとつひとつ積み重ねて…、かっこいいなって俺は思います


──昨年は、7月頃から戸崎さんの勝つペースが上がって、10月23日終了時点で戸崎さんが横山武史騎手を抜いて2位に浮上。そこから最後まで1位川田さん、2位戸崎さんが続いたわけですが、その間、お二人の間でリーディング争いについて何かやり取りはしましたか?

川田 有馬記念の前日、戸崎さんが4つも勝ったんですよ。これは明日イジらないといけないと。だから有馬記念当日、姿を見つけてすぐに「今年はもういいんだよ。昨日みたいなことは、もうしなくていいんだよ」って言いました(笑)。

──食事会で叱咤激励をした手前(笑)。

川田 そう、「今年は一回、俺に獲らせてよ(笑)」って。そしたら戸崎さんが、「大丈夫だよ! 追いつくわけねーだろ」って(笑)。

戸崎 だって、あと2日という時点で8勝差だよ? 追いつくわけねーじゃん(笑)。

 でもね、年末まであと1カ月ちょっとというときだったかなぁ、競馬関係者以外の知り合いから、「今年はリーディングいけるんじゃないですか?」ってけっこう言われたんだよ。確か12勝差くらいのときだったと思うけど、月に12勝するのも大変なのに、相手も勝つわけで。俺自身は、追いつけるなんてまったく思わなかったけど、外から見ている人はそう思うんだなって、なんかちょっと驚いたよ。

“VOICE”

▲戸崎騎手の猛追に思わず「俺に獲らせてよ(笑)」(撮影:福井麻衣子)


川田 僕の流れが完全に止まりましたからね。11月は、ビックリするくらい勝てなかったから。

──そうなんですよね。去年の川田さんは、月に15勝以上するのも珍しくなかったのに、11月は5勝止まりで。

戸崎 あ、そうだったんだ。それは気づかなかった。

川田 そこで戸崎さんとの差がギュッと詰まったから、周りの方たちも「いけるかも!」って思ったんだと思いますよ。

戸崎 11月は何かあったの?

川田 今思うとですけど…。残り3カ月となった時点で、リーディングではなく、「騎手大賞を獲る」ということにすごく向き合ったので。向き合って獲りにいった結果、体の動きが悪くなっていたなと思います。

戸崎 ああ、なるほどねぇ。

川田 年明けに乗り出して改めて思ったんですけど

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1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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