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【勝負の分かれ目 オークス】松山騎手の好判断が瞬発力を引き出し、無敗の二冠制覇

  • 2020年05月24日(日) 17時30分
 圧倒的1番人気に支持された松山弘平デアリングタクトは、ポンと速いスタートを切った。自身は出たなりで進みながら、他馬を先に行かせ、少しずつポジションを下げて行く。

「スタートがよく、中団くらいを取れると思ったのですが、1、2コーナーで2回ほど、狭くなったり、ぶつかったりしたので、下げて溜めることに専念しました」と松山。

 無理にポジションを取りに行かなかったのは、「最後は本当にすごい脚を使う」というパートナーを信じ切っていたからだろう。

 1、2コーナーを11、12番手で回り、向正面へ。

 1000m通過は59秒8。ひとつ前の第10レース、芝1400mのフリーウェイステークス(3勝クラス)の勝ちタイムが1分19秒7という、レコードよりコンマ3秒遅いだけの高速馬場だったことを考えると、ややスローと言っていい流れだ。

 単騎で逃げるスマイルカナ以外は10馬身ほどの隊列となり、騎手が重心を後ろにかけて、行きたがっている馬が複数いた。デアリングタクトもその1頭だった。

 デアリングタクトは後方の内につけたまま3、4コーナーを回り、直線に向いた。

 先頭との差は7馬身ほどある。デアリングタクトの前は壁になっている。

 ラスト400m地点。松山は、前を行くマルターズディオサの外のスペースを狙ったが、外からリアアメリアが伸びてきて、その隙間が狭くなった。

 すぐさま松山は進路を切り換え、マルターズディオサの内を突いた。同じスペースを、マジックキャッスル浜中俊も狙っていたが、わずかに前に出ていたぶん、先に通ることができた。

 ラスト200m手前で、デアリングタクトの前方がクリアになった。

 こうなれば敵なしだ。

 手前を2度ほど替えながら、先に抜け出していた内の2頭をかわし、無敗の二冠制覇を達成した。

 騎乗馬を信じ、道中で迷わず溜めた松山の判断が、究極の瞬発力を引き出した。

(文:島田明宏)

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