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【オークス・平安S予想】2週続く3歳GI スウィープフィート・ライトバックらの追い切りを徹底解説!

  • 2024年05月15日(水) 18時00分

ステレンボッシュら美浦有力馬を打破する栗東所属馬は…


 先日、グリーンチャンネルのPOG番組の収録がありました。それもそのはず、今週がオークス、来週が日本ダービーで、再来週からは2歳がデビューします。トレセンでも2歳馬が着用する緑ゼッケンがすごく増えてきていて、3月・4月にゲート試験を合格した馬たちもデビューに備えて、栗東へ戻ってきました。新馬も気になりますが、あと2週、3歳GIをしっかり的中させてから新シーズンを迎えたいものです。

 まずはオークス。栗東に滞在してくれていたステレンボッシュやチェルヴィニアが美浦にいることがちょっと寂しく感じてしまいますが、だからといって、栗東所属馬が手薄というわけでもありません。ただ、東京を経験している方がよいのか、2000mを経験している方がよいのか。栗東所属馬にとっては、どちらかの経験がアドバンテージになりそうな気はします。

【平安S/ハギノアレグリアス】

 昨年の平安Sは名古屋大賞典を勝ってのローテーションで2着。当時の1週前追い切りは自己ベストタイになる坂路での4F時計をマークしていましたが、過去にこのパターンで結果を出したことがあったので、自身にとってはベストに近い状態での出走だったと思われます。

 今回に関しては、アンタレスS3着からのローテーション。1週前追い切りはベストまでは出ませんでしたが、坂路4F52.9秒とある程度しっかりとした負荷をかけてきました。また、5月12日の週末にも坂路で4F55.3秒、2F25.4秒という、これまでにない強めの負荷をかけており、なかなか勝ち切れなかったところに刺激を与える追い切りといってよいかもしれません。

調教Gメン研究所

これまでにない強めの負荷をかけたハギノアレグリアス(5月14日撮影)


【平安S/スレイマン】

 なかなか突破することができなかったOPの壁を乗り越えた2走前。そして、前走は重賞でクビ差の2着。勢いが出てくれば、これまでのOPで勝ち切れなかったことが嘘のような走りを見せることができるものですね。前走に関しては、休み明けにしては追い切り本数の少ない状態。1週前追い切りのCWでの速い時計、6F80.6秒が好走のきっかけになったかもしれません。

 今回はレース間隔を考えると、追い切り本数は十分。ただ、1週前追いはCWで6F82.9秒。決して遅い数字ではありませんが、前走と比較してしまうと遅くなりましたし、門司Sの1週前追いよりも遅い時計。レース間隔が違うので、これでよいとは思いますが、近走、中3週という間隔の詰まったローテ自体もないだけに判断が難しいところです。

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レース間隔を考えると判断が難しいスレイマン(5月14日撮影)


【オークス/ライトバック】

 ポテンシャルの高さに期待した桜花賞ではメンバー最速の上がりを使って3着。デビュー戦と同じ上がり32.8秒の脚は新潟ではなく、直線急坂のある阪神でもマークできたところにやっぱり能力は非凡なものがあると感じさせてくれました。モニターで確認した桜花賞時のパドックは落ち着きがありましたから、それも能力を発揮するためには重要でしょう。

 すでに東京競馬場への遠征は経験済み。1週前追い切り、最終追い切りのCW併せはアルテミスSも前走桜花賞も同じ。今回もそれは同じですし、時計的な負荷も当時と変わりありません。最終追いの前に2頭いて、うち1頭に先着したという内容は前走とちょっと違いますが、動き自体は活発で魅力的です。

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動き自体は活発で魅力的なライトバック(5月15日撮影)


【オークス/スウィープフィート】

 チューリップ賞の最終追い切りが坂路4F54.0秒でしたが、桜花賞では最終追いが坂路4F52.7秒。そして、チューリップ賞ではできなかった4F目最速ラップでしたが、4着という結果は時計が速くなった負荷と4F目最速で好走したと判断してよいと思います。そして、1週前追い切りは坂路で4F52.5秒をマークして併せ先着。今回も前走同様、もしくは前走以上かなと思える状態です。

 そして、最終追いは坂路4F51.9秒。なおかつ、2F24.3秒で4F目12.1秒の最速ラップ。これまでの最終追いで一番強い負荷をかけてきたといってもよいくらいですから、あとはこれで無事に輸送して、本番は落ち着いた状態でレースに出走できるかどうかでしょう。

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これまでの最終追いで一番強い負荷をかけてきたスウィープフィート(写真中央、5月14日撮影)


【オークス/クイーンズウォーク】

 クイーンCは1週前追い切りがCW、最終追い切りが坂路というパターンでしたが、前走桜花賞は1週前も最終もCW。レース間隔があいた分なのかなと思いましたが、今回は1週前CW、最終坂路でしたから、東京遠征がこのパターンなのかなという見方をしています。

 1週前追いがCWで併せ先着、時計も6F81.3秒の負荷が最適でしたが、最終追いは坂路4F55.9秒。しかも2F26.4秒ですから、これはクイーンCの最終追い、4F53.1秒で2F24.3秒とは大きな違い。距離も違うといってしまえばそれまでですから、能力的にも期待したこの舞台ですが、やっぱり最終追いの内容が気になります。

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最終追いの内容が気になるクイーンズウォーク(5月15日撮影)


◆次走要注意

・5/12 ヴィクトリアマイル【マスクトディーヴァ】(1人/3着)

 パドックには素晴らしい姿で登場してくれましたから、どうやったら負けるんだ、くらいの判定をしていましたが、ああなったら負けてしまうんですね。不利がなければ、は誰が見ても分かること。この馬は本当に強くなっています。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切りが坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<新潟芝1000m>
◎1週前追い以降坂路4F52.4秒以下
◎最終追い切りトラックW3F37.5秒以下
○最終追い切り坂路馬場4F目最速ラップ

 枠順の影響が大きいこともある直線競馬ですが、調教適性としては上記の通り。先々週の駿風Sでは1着2着が坂路の◎、トラWの◎で決着。坂路とトラックは五分の評価で、あとは枠順で上下評価してよいかもしれません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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