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【安田記念予想】香港からの刺客ロマンチックウォリアーとヴォイッジバブル 二頭の取捨と注目の穴馬

  • 2024年05月31日(金) 18時00分

人気を集める前走マイラーズC組は黄色信号


 今年の安田記念には香港から2頭が参戦。ともに力のある馬だけに結果が楽しみだ。

 ロマンチックウォリアーは現在の中距離世界最強と言ってもいいレベルの馬。鞍上がJ.マクドナルドとくれば人馬ともに能力面では言うことがない。昨年豪州遠征を成功させており、輸送や左回り(遠征先のVIC州は左回り)も問題ない。あとはマイル適性と香港のシーズン末という問題だけだろう。香港にはゴールデンシックスティがいたのでマイルを試す機会はほとんど無かった。それでも例えば香港マイルの舞台で今回のメンバーが走るなら本馬で勝ち負けだと思うが、馬場が回復してトータルタイムや上がりタイムが速くなると少し不安が出てくる。

 ヴォイッジバブルは香港スチュワーズC勝ちがあるものの、香港における番付的には関脇か張り出し大関といったところ。近年そのレベルでは安田記念で通用しなくなっているが、今回は日本馬もタレントが揃っていない。枠は安田記念では結果が出ている7枠(15番)を引いたので、その有利さ込みで△あたりが妥当かと思う。

 日本馬ではソウルラッシュ、セリフォスと過去にマイルGIの好走歴がある馬が上位人気になりそう。ただ2頭ともマイラーズC組で、過去10年の同組は[1-0-4-33]とイメージほど走れていない。2頭のどちらかを軸にすると2頭とも馬券に入る組み合わせが多くなってしまうので、扱いを考えなくてはならない。

 前走GI組ということではヴィクトリアマイル組の好走はけっこうあるので、フィアスプライドとナミュールはマークが必要。ただフィアスプライドは前受けして押し切るほどの地力があるかまだ分からない。ナミュールは条件次第でGIを勝ち負けできる馬だが、今回は内枠を引いてしまった。スタートはまた良くはないだろうし、引いて大外のような競馬になるようだとロスは大きい。

 パラレルヴィジョンはルメール騎乗である程度売れそう。ただ中山で連勝してきて東京のGIであまり人気になるようだと馬券上の妙味は薄れる。ただ相手なりに走れる馬なので、3着候補には検討したい。

 個人的に関心があるのがステラヴェローチェ。安田記念は穴が出るとしたら外枠だし、ここ2走を見ると良さが戻ってきている。勝ち切るイメージはないが、複穴にはなりうると思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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