この夏、七夕賞で初重賞勝ちを飾り、続く小倉記念も連勝したイタリアンレッドは、ネオユニヴァースの初年度産駒になる。つまり、ロジユニヴァース(日本ダービー)、アンライバルド(皐月賞)と同じ世代だ。
ネオユニヴァースが初年度産駒を送り出したのは、3年前の2008年のこと。するとロジニヴァースが幸先良く札幌2歳Sを勝ち、ラジオNIKKEI杯2歳S、弥生賞も制覇。皐月賞では不覚を取ったが、不良馬場の日本ダービーで圧勝劇を演じた。
その皐月賞で穴を埋めたのが、同じネオユニヴァース産駒のアンライバルドだった。若駒S、スプリングSを勝った勢いを、本番の皐月賞制覇につなげている。
ご存知のように、ネオユニヴァースは皐月賞、日本ダービーの覇者である。初年度産駒の2頭が、いきなり春のクラシックで父子制覇を果たした衝撃は、今も忘れない。「サンデーの最高後継種牡馬の道を歩む」と思ったものだ。
ところが、ロジユニヴァース、アンライバルドともに、その後が尻すぼみの状態。満足に競馬にも出られず、アンライバルドはつい先ごろ引退が決まった。
そのせいか、2年目産駒のヴィクトワールピサが皐月賞を勝ち、暮れの有馬記念、今春のドバイワールドCまでも勝ったというのに、ネオユニヴァースの種牡馬としての評価が定まらない。
先のイタリアンレッドはロジユニヴァース、アンライバルドの2頭がクラシックを制したとき、まだ不出走だった。デビューは3歳の6月である。
2戦目に勝ち上がり、続く500万条件を連勝したが、以後の道のりは決して順風満帆ではなかった。しかし、5歳の夏を迎えて本格化した。
ネオユニヴァース産駒の出来にばらつきがあることは確かだろう。いわゆる大物一発タイプなのかもしれない。だが、「早熟血統」という評価じたいは、ヴィクトワールピサ、イタリアンレッドの活躍で修正を迫られている。