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神戸新聞杯

  • 2011年09月24日(土) 18時00分
 同じような父系の種牡馬が多いから、年によって交配数の変動は大きい。それに、もともと生産界でも、ファンにも強い支持を受けていたステイゴールドの種付け頭数は少なくないが、今春は実に「249頭」に達したと伝えられる。2年連続一位のキングカメハメハのそれが「266頭」で、これがワンシーズンの最多記録だから、ステイゴールドの交配数は史上でも5指に入る。

 ステイゴールドの初期の産駒は、アルコセニョーラとか、マイネレーツェル、日曜阪神10Rのワルキューレなどがそのイメージで、人気薄のときにたまに快走する産駒ばかりだった。たしか、人気で重賞を制した馬はいなかった。ところが、いまはナカヤマフェスタの父であり、ドリームジャーニー(グランプリ2冠)、その全弟で3冠リーチのオルフェーヴル、そのライバルの1頭フェイトフルウォー(セントライト記念)、2戦2勝の芦毛馬ゴールドシップなどの父である。

 ステイゴールドは名門の牝馬と称されるような配合相手はごく少ないが、その牝馬に伝わる一番いいところを引き出すところがある。もちろん、ランキング上位の種牡馬ではないから、外れも多いが、本質は穴党タイプの、タフで渋い、うまくすると底力にあふれる産駒を送る。

 自身はヘイルトゥリーズン系。活躍馬の母の父はメジロマックイーンであったり、タイトスポットだったり、モガンボだったりするからニックスはないが、活躍馬のほとんどはノーザンダンサーの4×5とか、5×5くらいのクロスを持つ。ノーザンダンサーのクロスなど珍しくもないが、ステイゴールドの場合は、かなり特徴的である。249頭もの交配相手の中に、ノーザンダンサーの隠れクロスが成立するような牝馬が多いと、第2のオルフェーヴル兄弟も、第2のナカヤマフェスタや、フェイトフルウォーが誕生するだろう。

 もちろん、注目馬はオルフェーヴルだが(3冠の可能性はきわめて高い)、ウインバリアシオンも春の緩い馬体ではなく、この秋はさらに鋭さを増しそうに思える。

 お互いトライアルの一戦。本番に向けて・・・だが、仕上がり状態で上回り、成長力なら互角であって不思議でないウィンバリアシオンから入りたい。最後は突き放されたが、ダービーでも一旦は並びかけている。あえて今回は、オルフェーヴルを2番手とし、ショウナンマイティ、フレールジャック、スマートロビン、ダノンミノルまで、ウィンバリアシオンの相手にしたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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