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クラレント、ダービー勝ったら俺ヒーローや!!

  • 2012年05月22日(火) 18時00分
いよいよ今週は日本ダービー! 小牧騎手のパートナーといえば、そう、クラレントです。なかなか本来の力を発揮できずにいたクラレントですが、前走NHKマイルC3着で、俄然ダービーが楽しみになりました。今回は、そのNHKマイルCを振り返ってもらいながら、ダービーへの手応えをお聞きします!

■ダービーは、色気たっぷりに乗りますわ

──今週はいよいよダービーですね。NHKマイルC後のクラレントの様子はいかがですか?

小牧 助手さんが乗ってくれていて、僕はまだ跨がってないんやけど、とにかく元気ですわ。馬体に張りがあって、毛ヅヤもいいね。跨がってないとはいえ、やっぱり気になって、ちょくちょくチェックしてます。あと、NHKマイルCを使ったことで、落ち着きが出てきたらしいわ。

NHKマイルCは感触が違った

NHKマイルCは感触が違った

──その前走ですが、低評価を覆す3着。先月お話をうかがったとき、中間の調教で初めて53秒を切ったとおっしゃっていましたね。馬の状態として、弥生賞当時とは、変わってきた実感はあったのでしょうか?

小牧 調教で時計が出てきたというだけで、状態自体は、とくに変わった感じはなかったんやけどね。

──小牧さんから橋口先生に申し出て、ゲート練習を入念にされたとか。

小牧 そう。その効果は大きかった。これまでは、なにせ出遅れるから、どうしても後方からになってしまって。出遅れると余計にハミも外れるしね。同じ後ろから行くにしても、スタートが決まると決まらないのでは全然違うから。ダービー前にも、一度(ゲートに)入れようと思ってますわ。

──道中の行きっぷりも、ここ2戦とはちょっと違うように見えました。

小牧 NHKマイルC当日は、返し馬から行きっぷりが良かったんですわ。だから、いつもより詰めて乗ったんです。たしかに道中の行きっぷりも全然違ったね。返し馬の感触通りやったわ。

──クラレントは、以前から「走ってくれなきゃ困る」とおっしゃっていた1頭。小牧さんはもちろん、橋口先生もホッとされたのでは?

小牧 レースの後は、「やっと走ってくれた。やっぱり力があるんやな」っておっしゃってました。これまでホンマに不甲斐ないレースが続いてたんで…。僕としても、前走着外からダービーに臨むのと、いい結果が出た上で臨むのでは、気持ちが全然違うしね。

──それにしても、15番人気というのは正直、評価が低すぎでは…と思ったのですが。

小牧 僕は、レース前にあまり人気を確認しないから知らなかったんやけど、あとから聞いて、たしかに人気なさすぎ…と思いましたわ。でもまぁ、最近のレースぶりからしたら、しょうがないのかな。穴党にとっては、オイシイ馬やったんちがいますか(笑)? 友達やファンから、『馬券、獲りました!』っていう話を、あとからたくさん聞かされました(笑)。

NHKマイルCの雪辱を果たす

NHKマイルCの雪辱を果たす

──さて、ダービーについてですが、NHKマイルCのあと『ダービーは後方で死んだふりで…』ってコメントされてましたね。

小牧 ああ、そんなこと言ったね。なんでそんなこと言ってしまったんやろ(笑)。でもまぁ、今度は2400mなので、出遅れでもいいくらいの気持ちで、ゆっくり乗ってもいいかな、と。ハミを外して自分のペースで走って、直線に賭ける競馬をしようと思ってます。

──やはり、2400mという距離に不安はありますか?

小牧 距離については不安はないですよ。前回こそ、あの行きっぷりやったけど、その前までの競馬だったら、むしろ距離が延びたほうがいいなと思っていたくらいやから。距離が延びたら延びたで、それに合わせた競馬をすればいいわけやしね。本当に不安はないですよ。

──では最後に、大一番に向けた意気込みをお願いします。

小牧 相手はたしかに強いけど…。ワールドエースとかねぇ、乗ったことがあるだけにね。ただ、前回で力のあるところを見せてくれたし、すごく楽しみです。僕自身、色気たっぷりに乗ってこようと思ってますわ。競馬はね、何が起こるかわからんよ。

──ちなみに、ダービー当日もいつも通り、終わったらすぐに栗東に戻られるんですか?

小牧 次の日ね、ノースヒルズのゴルフコンペに参加させていただくんですわ。だから帰りますよ。クラレントは、昔からずっとお世話になっている前田(幸治)オーナーの弟さんの馬なんでね。これでダービーを勝ったら、俺、ヒーローやな(笑)。

【次回の太論は?】
昨秋の毎日王冠以来のコンビとなったシルポートで、マイラーズCを制した小牧騎手。次走は、昨年に続き安田記念。その昨年は、8着とはいえコンマ4秒差まで踏ん張りました。次回は、久々に騎乗したシルポートの感触、そして安田記念への手応えをお聞きします。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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