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格下タイプなのに人気の馬が強いシルクロードS

  • 2013年01月22日(火) 12時00分
 ハンデ戦になるとよく私は「いまのハンデの決め方だと能力差を斤量差で埋めることは難しい」という話を書き、格上タイプ・ハンデを背負っているタイプを推奨することが多い。

 しかし、シルクロードSはちょっと違う。開催週の違いはあるがすべてハンデ戦ではあるので過去10年をまとめて振り返ると、前走クラス別成績で着度数最上位なのは前走オープン特別組で[5.3.2.69]。該当数が多いせいもあるが、前走GIII組とほぼ同レベルの勝率・連対率にもなっている。

 ちなみに前走GII組は[1.4.2.12]で連対率・複勝率としてはさすがの強さなのだが、勝ち切れていない。また、前走GI組は[0.0.0.6]で2,3番人気に推された馬がそれぞれ2ケタ着順に沈んでいる。このあたり、格上タイプほどここは調整過程と割り切った形で使われている感触もある。

 さて、話は戻ってオープン特別組だが、先述したように[5.3.2.69]と10頭が馬券に絡んでいるにも関わらず、全馬均等買い時の回収率は単42%・複29%と極端に低い。ということは、人気サイドになった馬ばかりが馬券に絡んできたということである。

 内容的には、7番人気1着(09年アーバンストリート・単勝1250円)があった以外、馬券に絡んだ馬はすべて5番人気以内。また、前走で2ケタ着順だった馬(今回登録馬中該当6頭)は一切馬券に絡んでいない。

 逆に、1〜5番人気だけに限定すると、[4.3.2.13]で回収率は単95%・複88%とプラスではないが悪くない次元まで上昇する。このあたりの馬と、過去10年[2.1.2.11]の前走準オープン組(回収率は単複ともプラス)を重視して、あとは前走重賞組の選別を厳しめに行う、というのがシルクロードSにおける馬券の組み立て方ということになってくる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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