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中山記念

  • 2013年02月23日(土) 18時00分
 伝統の中山記念は、距離の異なった創設期から、リピーターの台頭するレースとして出発した歴史がある。1800mになってからはさらにその傾向が強まり、ソシアルバターフライの一族が大活躍した当時は、エイティトウショウを代表格に、数多くの一族の馬が中心馬や伏兵となった。

 現代でもその傾向は変わらず、カンパニーが[2・4・不・1・1着]、バランスオブゲームが[2・不・1・1着]、ローエングリンが[1・3・不・不・1着]など、再三再四、リピーターががんばっている。

 理由はいくつもあるだろうが、この時期にはベテランがまだ多く存在して、まだ冬休みの馬もいるから、中山記念を目標にすると出走しやすいこと。

 馬場を一周する形の独特のコースと距離なので、ただ、コースや距離が合うだけではないスペシャリストが出現しやすいことだろう。

 リピーターがくるということは、自然とベテラン強しに通じる。7歳以上馬が、最近10年間で4勝も5勝もしているのは、平地重賞では、この中山記念と、同じ時期で距離も同じ1800mの小倉大賞典(先週)だけと言ってもいい。

 今年、着順はともかく、リピーターに相当するのは、昨年2着のシルポート、3着のリアルインパクト、そして9着のダイワファルコンの3頭だけ。中山記念のリピーター伝説を信じるなら、この3頭はたとえ中心馬に選ばすとも、相手には入れておきたい。シルポートは8歳だが、ローエングリンも、カンパニーも8歳で勝っている。

 本命は、ベテラン7歳のタッチミーノット。この馬、いま完成のピークと思えると同時に、ここまでダンスインザダーク産駒とあって2000m以上に出走していたのはごく自然だが、母方のスピード系の影響が強い。前回の中山金杯の自在のレース運びと、負けはしたものの、距離1800mの毎日王冠を1分45秒1(上がり33秒1)で0秒1差3着したレースが、一番中身があると思える。直線の長いコースだと、スパートのタイミングや、切れ味の生かし方が難しいが、中山コースの1800mなら、行く馬を目標に自分からスパートできる。このレースを7歳時、8歳時に2連勝したカンパニーと同じように。

 タッチミーノットはベテランというだけでリピーターではないが、鞍上の横山典弘騎手は、現役騎手では最高の中山記念男であり、騎手としてのリピーター。通算[3-3-1-11]の好成績を残している。シルポートの逃げを見つつ、自分からスパートできるはずだ。

 相手本線は、ナカヤマナイト。柴田善臣騎手も、横山典弘騎手と並んで現役最多の中山記念3勝を誇り、ナカヤマナイトは中山コース6戦5連対のコース巧者でもある。次いで中山コース5勝のダイワファルコン。

 以下、ダノンバラード、リアルインパクト、トーセンレーヴ、アンコイルドを連下候補としたい。

 阪神の阪急杯は、1400mならのマジンプロスパーから入る。ロードカナロアは別格ではあるが、相手妙味も1400mなら通用するミトラとしたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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