渋馬場に近いタフなコンディションは大歓迎/宝塚記念
◆ゴールドシップと横山典弘騎手は理想のコンビではないかと思える
頭数は多くないものの、ファン投票の上位3頭を中心に、シーズンオフにも重なる夏のグランプリとすれば上々のメンバーが揃った。また、シーズン末とすると各馬の状態も素晴らしい。好カードだろう。
ただし、この時期だから、雨の降り方、降雨量しだいで、渋馬場になることは避けれない。どんどん天気予報は変化しているが、完全な良馬場は難しいだろう。
渋馬場のタフなコンディションになって明らかに有利は、ゴールドシップ、ウインバリアシオン、そして牝馬ではメイショウマンボ。もう1頭、必ずしもスピード系ではないホッコーブレーヴと思える。
みんなデキのいい中で、とりわけ全体の雰囲気がいいのは、ゴールドシップ。だいぶ白さを増した馬体が、ステイゴールドというより、メジロマックイーンの完成期そのものに近くなったように思える。
皐月賞で重馬場をこなした。2歳時の渋った札幌も平気だった。昨年の宝塚記念も2分13秒2の勝ち時計が物語るように、渋馬場に近いタフなコンディションだから、稍重や重馬場は大歓迎に近い。上がりの速い高速レースには不安を隠せない同馬に、望ましい馬場になりそうである。
阪神コースは[4-1-0-0]。また、器用に馬群をさばくタイプではないから、12頭立ての今回のような頭数以下では[6-0-0-0]。昨年に続き2連覇達成が期待できる。横山典弘騎手が3週も連続して栗東に乗りに行ったのは、お互いに理解し合い、打ち解け合うため。気難しいのではなく、プライドの高いゴールドシップに、気分良く納得のレースをしてもらうには、毎回、毎回、乗り替わっているゴールドシップだが、横山典弘騎手はおそらく理想のコンビではないかと思える。
まだ横山典弘騎手が20代で、メジロライアンで宝塚記念を勝ったころ、所属していた美浦の石栗厩舎にいたのが牝馬パストラリズム。コンビで全2勝を挙げている。巡り巡って、パストラリズムはゴールドシップの祖母となっていた。打ち解け合うのに、時間はかからなかったかもしれない。
ウインバリアシオンは、2分30秒台の厳しい勝ち時計になったオルフェーヴルの日本ダービーの小差2着馬。ネコパンチの勝った重馬場の日経賞2着もあるから、ゴールドシップと同様、渋馬場は歓迎。まくって快勝した今春の日経賞のレース運びから、置かれることなく、ロングスパートができる。
芝の稍重で2勝しているホッコーブレーヴがもっと怖い伏兵。走りやすいニューポリトラックとはいえ、素晴らしい追い切りだった。GIになかなか手の届かなかった父マーベラスサンデーは、この宝塚記念でGIホースとなっている。祖母の父サクラショウリも宝塚記念の勝ち馬。いま、素質開花。前回の天皇賞好走はたまたまではない。
次がメイショウマンボ。好仕上がりのジェンティルドンナ、デキのいいカレンミロティックをその次にしたのは、渋馬場と考えたから。良馬場なら、評価を上げたい。