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血統よりもコース実績で

  • 2008年06月30日(月) 23時50分
 函館芝1200mというのは設定レース数のやたら多いコースだが、コース全体を語る場合と、函館スプリントSのような重賞レースを予想する場合とでは、少し頭を切り替えたほうがいい面がある。

 というのも、実施数に占める2歳戦や未勝利戦の割合が高いため、地力で馬券に絡んだ馬と、適性で好走した馬との区別がつきにくくなっているのだ。

 過去10年の函館芝1200m戦について、種牡馬別成績を取ってみると、上位10頭はサンデーサイレンス、サクラバクシンオー、フジキセキ、タイキシャトル、トニービン、ロドリゴデトリアーノ、ラストタイクーン、アフリート、ダンスインザダーク、ブライアンズタイムとなっている。

 ラストタイクーンまでの7頭はすべて勝率11.0%以上、連対率21.0%以上と全体のアベレージ(7.8%と15.6%)を上回っており、単に数で勝負しただけのことではないということも分かる。

 ただ、顔ぶれを見ても分かるように、2歳戦や未勝利戦で数値を稼いだ馬もいる手ごたえがあるので、今度は「古馬1000万条件以上」という前提で調べ直してみよう。

 すると、着度数の1、2位はサクラバクシンオーとサンデーサイレンスで入れ替わっただけなのだが、勝率・連対率は

サクラバクシンオー 10.5% 17.5%
サンデーサイレンス  8.1% 17.7%

で、全馬平均(7.7%と15.4%)と接近してしまっている。

 かわりに高い数値を見せるのがかつてのマル外ブーム時にその父であった種牡馬や、特定の産駒が集中して数値を稼いだ種牡馬である。

 ということで、基本的に上位クラスのレースは血統という縛りにこだわらず、それぞれの馬がいままであげてきた成績をそのまま評価するほうが早道のようだ。函館の場合、芝コースの路面や滞在競馬といった特殊事情もあるので、単純にコース実績を見るような予想のほうがいいのかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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