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夏の乗り替わりについて考える

  • 2008年07月28日(月) 23時50分
 先週は土日で4人の騎手が騎乗停止をもらい、しかも内田博・武豊という東西の大物が含まれている。

 それでなくても夏競馬期間中は騎手が分散することで乗り替わりが多く発生するが、今週はこの2日が乗る予定だった馬が全部乗り替わりとなるわけで、特に「手替わり馬の評価」が重要になる。

 そこで今回は、夏競馬期間の乗り替わりについて見てみることにした。

 筆者はかつて「バンキシュ」という、乗り替わり馬券に関する本を出したことがある。騎手のイメージと実際の技量にはギャップがあるため、過剰評価される乗り替わりやその逆が発生する。過少評価されるパターンをつかめば穴馬券が取れる、という趣旨の本であった。

 今回は、2005年以降の7〜8月平地競走について見てみよう。

 対象期間ののべ出走頭数は26922頭。このうち、乗り替わりの形で出走したのは14232頭だった。継続騎乗組と回収率はほぼ同じで、乗り替わりのほうが勝率・連対率が低いぶん、穴馬を狙わなければならないことが分かる。

 他騎手からの乗り替わりで目立つのは横山典騎手。勝利度数、100騎乗以上での勝率・連対率がともに3位と通常の指標でも優秀なのに加え、回収率が単100%・複95%。該当馬はすべてチェックしておきたい水準だ。

 藤田騎手絡みの乗り替わりにも注目したい。他騎手→藤田も全体の平均から見れば高水準なのだが、藤田→他騎手も意外なほどに高い指標を示している。北海道シリーズでは特に「藤田騎手からの乗り替わり」というと人気が下がる方向に作用するが、そこは敢えて賭けていってよいようだ。

 当該期間に乗り替わりでの騎乗が100騎乗以上ある騎手のうち、複勝回収率がプラスになっているのは太宰、上村、秋山、藤岡佑の各騎手。いかにもという穴っぽいメンバーで、このあたりの騎手をうまく買える人が夏競馬を制するのだろう。中でも藤岡佑騎手あたりは全体の成績が向上しているだけに、今年の北海道シリーズでは頼れそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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